このエントリーをはてなブックマークに追加

池田市の小中一貫校 4・3・2制で学習連続性

「9年間のカリキュラムには『池田学』も加えたい」と村田教育長。「人の痛みが分かる子どもに育ってほしい」と願っている

 池田市の教育方針が変わる。2014年4月から市内の全5中学校区で一斉に「施設分離型」の小学校・中学校一貫教育を始める。2015年4月には細河小学校と伏尾台小学校を統合したうえ、細河中学校との「施設一体型」の一貫校も開校させる。
 最も大きな特徴は、義務教育9年間の教育体制の中で、4・3・2制の指導区分を設けていることだ。子どもの成長に合わせて、小学1~4年を前期、小学5年~中学1年を中期、中学2、3年を後期と位置づける。特に中期を小、中の接続部分として重要視する。小学校教諭が、中学生になった生徒を引き続き指導することが可能になる。また、小学高学年から教科の担任制を段階的に導入し、中学校教諭が専門教科で児童を教えることもできる。
 市教委は、一貫教育を導入するにあたり、公立では初の取り組みと言われる広島県呉市教委の4・3・2制を研究したり、箕面市・とどろみの森学園などの施設を見学したりしたという。
 細河中学校は小学校を併設することになる。そのために、既存の北棟、南棟、屋内運動場棟を改修するほか、北棟と南棟をつなぐ形で東棟を新築する。東棟はランチルーム、特別教室、屋上プールを設置。東棟と接する形でサブアリーナ棟も新築する。サブアリーナ棟は武道場、職員室などを整備する予定。
 村田陽(きよし)教育長は「細河の施設一体型は、児童が減ったことによる小学校の統廃合ではない。児童が充実した教育を受けられる環境づくりを考えた」と語り、「小学校と中学校の教諭同士の連携が密になると、よりきめ細かい教育ができる。子どもにとっても、安心感がある」と一貫教育のプラス面を強調する。小南修身市長は「9年間の学びの連続性を大切にすることで、(中学進学の際の心理的、学力的な)中1ギャップの解消にもつながる」と話している。(進藤郁美)

更新日時 2013/07/10


関連地図情報