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元ひめゆり部隊のメンバーが豊中・桜塚高校で講演

体験を語る新川さん

 豊中市中桜塚4、大阪府立桜塚高校(加藤孝之校長、1075人)7月10日で、第2次世界大戦の沖縄戦に動員された、元ひめゆり学徒隊の新川初さん(87歳、東寺内町)が、生徒17人を前に自身の戦争体験を語った。元ひめゆり学徒隊のメンバーで、現在、関西圏に暮らすのは新川さん1人。
 豊中市は非核平和都市宣言をしていて、貴重な体験談を後世に伝えたいと、講演を企画した。桜塚高校の協力を得て、有志の生徒らで開催した。新川さんは「命はあってこそ尊い値打ちがある。かけがえのないたった1つの命を大切にしてください。本当の意味で自分を大切にできる人は、人の命を大切にできる。人の命を大切にできる人は、人の気持ちを大切にできる」と生徒たちに命の大切さを語った。
 講演は生徒17人のほか、教職員ら10人が聴講した。沖縄戦が始まったのは1945年3月。当時、沖縄師範学校女子部だった19歳の新川さんらは、看護要員として沖縄本島南部の南風原(はえばる)に作られた陸軍病院での看護に従事。丘を掘った壕(ごう)に、丸太で作っただけのベッドが並ぶ病院で、寝る間もなく働き、手や足を失い「殺してくれ」と叫ぶ兵士の看護や、銃弾をくぐり抜けながら死体の埋葬などを行った体験などを語った。また、軍が撤退した後、従軍した仲間とともに、日夜逃げ場を探してさまよったことなどを話した。
 2年生の出谷裕二さんは「当時のお国のためとの思想を恐ろしく感じた。これからは命を大切に、人に優しくしていきたい」と感想を述べた。
 講演の内容は、市がケーブルテレビで配信する広報番組「かたらいプラザ」で、8月1日から放送されるほか、市のホームページでも配信される。また、新川さんの体験談は、同市が発行する広報誌「広報とよなか」8月号にも掲載される。詳しくは広報広聴課06-6858-2028へ。=情報提供・豊中市(梶川伸)

ひめゆり部隊 新川初 非核平和都市宣言

更新日時 2013/07/12


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