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切り絵で広がった世界 野澤新治さん

近くの神田八坂神社の手水舎を描いた作品を手にする野澤さん

 池田市神田に住む野澤新治さんは、約5年前に、とある展覧会で切り絵と出会った。「絵なんて書いたことないし、絵心も何にもない。でも、1人で好きなだけやれるから」と、吹田市の教室に通い始め、没頭していった。やがて木版画や色鉛筆画にも挑戦し、その実力もめきめきと上達。池田市緑のセンターが主催する「花の絵はがきコンテスト」では、2012、13年と、2年連続で最優秀賞を受賞した。
 もともとは大雑把な性格と、野澤さんは自分を紹介する。「でも、切り絵を始めてからは、物の見方が変わったなあ。観光地に行っても、つい『どの構図が絵にしやすいか』と考えてしまうし、道端の草花も、以前はまるで気にしてなかったけど、今は『今日はつぼみだな。明日には咲くかな』と観察してしまう」。感じる世界が広がったことが、切り絵を始めて1番の変化だと語る。
 描きたいと思い続けているモチーフがある。奈良県宇陀市の大きなしだれ桜「又兵衛桜」だ。「毎年行って、ラフスケッチは何枚も描いている。でも、まだ作品には出来ていない。今年も見に行くつもりだが、なんとか仕上げたい」と、目を輝かせた。(礒野健一)

更新日時 2014/03/12


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