このエントリーをはてなブックマークに追加

池田・トリ風土研究所が幻の地鶏復活プロジェクト

トリ風土研究所のメンバー

 地鶏にこだわる「トリ風土研究所」(池田市、宮武裕右社長)が消費者と生産地をつなごうと、兵庫県加西市の県立播磨農業高校と連携し、生産量が少ない「幻の地鶏」復活プロジェクトに着手した。5月には豊中市の阪急蛍池駅前に、トリ風土研究所の地鶏専門レストラン1号店を開く。おいしい地鶏を紹介する食育イベントも計画している。
 池田市などで焼き鳥店2店舗を展開する野網厚詞さんは、いいトリを求めるうちに、生産者の高齢化やえさの高騰など地鶏の生産地が危機に直面している現実を知った。「地鶏のよさを伝えよう」と意気投合した宮武裕右さん、山中史郎さんらと食育イベントを展開した。そして「こんなおいしい地鶏はどこで食べられるの?」と求める消費者の声を受け止めた。
 播磨農高と連携する兵庫県の地鶏「ひょうご味どり」復活プロジェクトでは、高校生が今秋に生育する地鶏800羽を買い取って、レストランで提供し、インターネット販売も始める。800羽の生産に必要な資金を確保するために「クラウドファンディング」と呼ばれるネット上の調達手段で呼びかけて、わずか5日間で目標額392万円を集めたという。
 「地鶏」と呼ぶには、在来種の血統を半分以上引き継ぎ、自由に動き回れる平飼いで80日以上飼育することなどが条件とされる。トリ風土研究所の「風土」には、水やしょうゆ、野菜など地域ごとの食材や食文化も大切にする気持ちを込めた。
 「特別な日に、特別なトリを食べよう」とアピールして、地鶏の解体ショーなど魅力を伝える食育イベントを企画している。調味料やレシピも添えた「一羽まるごと食卓セット」(モニター価格5000円)などを提供するという。
 野網さんは「消費者に作り手の思いを伝えたい。うま味、味わい、余韻……。食べたら地鶏の違いが分かる」。山中さんは「飛行機が集まるハブ空港のように消費者と生産者をつなぐ役割を担いたい」。宮武さんは「おいしい鶏を知って、学んで、食べよう。鶏が育つ地域文化にも目配りしたい」と話している。
 詳しい情報は、トリ風土研究所サイト(http://www.torifood.jp)。(中尾卓志)

トリ風土研究所 ひょうご味どり 播磨農業高校

更新日時 2014/04/29


関連地図情報