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ちょっと味見を(283) 五個荘さと御膳

五個荘さと御膳

 毎日新聞旅行の案内人で、琵琶湖に行った。1泊2日ずつ計3回で、のんびりと湖を1周する旅の2回目だった。初日の昼ご飯の場所に選んだのは、東近江市五箇荘の「楽ごうるえもん」だった。
 料理は五箇荘さと御膳。五個荘は近江商人の地の1つとして知られる。近江商人の家で育った塚本さとが、家の料理を書き止め、それを復元している。近江商人は倹約家で、その家の料理は質素だが、工夫が凝らしてある。
 ご飯はクチナシの実で黄色い。これは腐食防止の意味があるそうで、行商に出る近江商人がおにぎりとして持ち歩く際の知恵だとか。汁は「ドロガメ汁」と言われ、ご飯の上にみそ汁をかける汁かけ飯の一種で、大量のゴマとナスが入っている。干し大根を煮た「ぜいたく煮」、生麩(ふ)の酢みそ和え、エビ豆、豆腐の田楽もあり、今でいうダイエットメニューだが、腹持ちがするように工夫してあった。(梶川伸)2015.12.02

近江商人 塚本さと

更新日時 2015/12/02


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