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ちょっと味見を(318) 香露かけうどん

香露うどん

 友人と青春18切符を使い、岐阜県手自見市に行った。駅に着いてまず昼食。ガイドブックに載っていたうどん屋「信濃屋」に行った。古い平屋建ての小さな店で、店にいたのは30分ほどだったが、とても印象に残る場所だった。
 メニューは3つだけ。店の女性は親切で、常連さんがよく食べるという冷たい香露(ころ)かけうどんを勧めた。ほかに温かいうどん、中華そば。
 香露かけは変わったうどんだった。麺(めん)は太目で、表面はフニャフニャしていて、伊勢うどんの食感に近い。しかし、芯(しん)の方は固さを保っている。つゆは黒っぽくて、甘辛系統だが、見た目の黒さとは反対にマイルドで、飲み干せる。
 隣りのテーブルにいた常連らしい夫婦が、香露かけをそれぞれ食べた後、もう1杯頼んで2人で分けた。さらに中華そばを頼み、2人で食べた。
 それを見習って、私たちも中華そばを頼んで分けた。麺は平たく、パリパリのような固さ。つゆは香露かけのつゆに鶏ガラスープを混ぜたような感じで、黒いのに透明感がある。
 店は週に4日だけ開くそうだ。残りの日は仕込みをするのだと、常連夫婦が教えてくれた。麺がなくなり次第、店じまいするという。
 香露かけを食べている最中、店の主人が奥から出てきて、つゆが口に合うかどうかを聞いた。濃くしたり薄くしたり、調節してくれるのだとか。食べ終わって店から出ようとすると、また主人が出てきて、どこへ行くのかを聞き、道順を教えてくれた。(梶川伸)2016.01.04

更新日時 2016/01/04


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