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道車両を使い鉄道災害時の救出訓練

車両を持ち上げて下敷きになった人を救助する消防隊員ら

北大阪急行電鉄桃山台車庫(吹田市桃山台5)で11月21日、豊中市、吹田市、箕面市の消防隊員24人と電鉄職員ら16人が参加して鉄道災害時の安全対策研修会が行われた。災害時の緊急連絡体制や鉄道車両の基礎知識を学んだほか、実際の車両を用いてホームから転落し列車の下敷きになった人を救出する想定訓練を行った。
 2002年11月6日、JR西日本東海道本線塚本駅~尼崎駅間で発生した人身事故の被害者を救助していた救急隊員2人が、後続の特急電車にはねられ死傷した。この事故を受けて全国消防長会近畿支部の各消防機関と大手電鉄会社との間で「鉄道事故時の安全対策に関する覚書」が交わされ、通報体制や救助・消防活動時の安全措置などに関するルールづくりが進められてきた。鉄道災害時の安全対策研修会は、豊中市からの呼び掛けで2005年度から、吹田市と北大阪急行電鉄と合同で毎年開催。2015年からは箕面市も加わり、ホームで災害が起こったことを想定しての訓練を実施している。
 研修会は初めに電鉄職員から車両の構造や高圧電気機器に関する注意点、災害時における鉄道の関係部署との対応手順などを学んだ。その後、車庫に移動し、駅のホームで災害が起こったことを想定した訓練を行った。ホームから転落し車両の下敷きになった人や、転落した人を助けようとホームに降りて感電した人を救出するなどの訓練が本番さながらの緊張感
で実施。油圧ジャッキを使った車両の持ち上げ訓練や窓ガラスの破壊訓練、実物による車両説明などを行った。
 豊中市消防局の松本拓也消防士は「車両の構造について本物を見て分かることも多くあり、有意義な訓練になった。災害時には鉄道会社の人たち と意思疎通を図りながら迅速な救助に当たりたい」と話した。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2016.11.23

更新日時 2016/11/23


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