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豊中市消防局全救急隊が習熟度セナミー

訓練で、傷病者への呼び掛けや通報者への聞き取りを行う消防隊員

 豊中市消防局(井ノ本学局長)は救急隊の救急医療技術を向上させるため、12月7日から救急技術の習熟度を発表する「プレホスピタル・セミナー発表会」を開始した。
 隊ごとに心肺停止症例や外傷症例などを想定し、通報から呼吸や脈を確認する初期対応、必要に応じた点滴やブドウ糖の投与などの一連の処置を10分間実施。その後、審査員長を務めた済生会千里病院千里救命救急センター(吹田市)の吉永雄一医師が、隊ごとに審査・講評をした。南消防署の杉田健さんは「日ごろの活動の成果を評価してもらういい機会。この発表会で講評してもらったことを今後の活動に生かしたい」と話していた。
救急車の出場件数が年々増加傾向にあることから、豊中市は救急隊の救急医療技術の向上や隊員間の連携の強化が必要と感じ、19980年から発表会を実施し、今回で19回目となる。
心臓疾患が原因で心肺停止し、市民やその家族からの通報で病院へ搬送された人のうち、1か月後も生存されていた人の割合を表す救命率について、豊中市は2010年1月10日に23.7パーセントの数値を示した。これは、救命率が公表されている各都道府県の平均や救命力が高いとされている世界の都市と比べても高いことから、市は「救命力世界一」を宣言している。
7日は井ノ本局長が「19回目となる歴史ある発表会。患者への適切な処置や、その家族への正確な説明ができるよう取り組んでください」と訓示して開会。その後、「66歳男性が自宅のマンションで意識障害により倒れている」「30歳男性が自宅の車庫で父の運転する車に挟まれて腰を痛めている」など各隊に与えられた状況に応じて、救急隊員3人が1隊となり、計10隊が順に発表。吉永医師は「名前を呼び掛け合い、連携が取れていた」「各自が救急処の手順を認識できている」などと述べた。
 発表会には消防局の救急活動を見ようと、学校法人・専門学校大阪医専(大阪市)や東洋医療専門学校(大阪市)、神戸医療福祉専門学校三田校(兵庫県三田市)の学生のほか、豊中女性防火クラブの会員など約80人が見学した。なお、発表会は9日までの計3日間行われる。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2016.12.09

更新日時 2016/12/09


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