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視察多いスマイルファクトリー

小、中学生合同の授業風景

 池田市立山の家(五月丘5)に、フリースクール「スマイルファクトリー」がある。NPO法人トイボックス代表理事の白井智子さんが、池田市から委託を受けて校長に就任、2003年9月に開校した。小、中学校の卒業単位を満たすことができ、池田市民ならスクーリングの月謝や相談料は無料というシステムは注目を集め、2007年4月からは高校卒業資格が取れるハイスクール(有料)も開校した。不登校や発達障害などの子ども約40人が通っている。

 白井さんは「ゆるい雰囲気のコミュニティーの中で、2つのことを徹底している」と話す。1つはいじめを絶対に許さないこと。「子どもたちにはまず、人を信じることを教える。人を信じられないから、攻撃される前に攻撃してしまう。それができなければ小学生でも集団から離れてもらい、スタッフが1対1で対応する」。もう1つはここが「来たい子だけが来る場所」とはっきりさせること。文句ばかりで他人に背を向ける人が来るところではない、と告げるのだ。

 不登校や発達障害に対する社会の認識が少なく、理解されないこともあったが、今は全国から自治体や教師が見学に来るようになった。それでもまだ、財政面で厳しい状況が続き、人員不足を招いている。「ある調査では12%の子どもが発達障害というデータもあり、公教育の中できちんとサポートする態勢を整える必要がある。ここの活動がどこでもやれるようにならなければいけない」と白井さんは語る。

 2月12日に行われたスクールのお祭り「スマイルフェスタ」では、生徒が準備した輪投げなどの縁日を、近くの親子連れなどが楽しんだ。さまざまな年齢の子どもたちが協力してイベントを運営し、それを教員たちが見守る様子に、懐かしい温かさを感じる人もいた。

 白井さんは言う。「以前は学級崩壊しかけたこともあったが、子どもたちと一緒に教員も成長した。自分の能力が伸ばせるような環境を作れば、子どもたちは必ず伸びるよ」(礒野健一)

スマイルファクトリー フリースクール

更新日時 2011/03/03


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