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編集長のズボラ料理(544) はるさめザーサイ

水分を多くしてスープにしても良い

 「麺類」という言い方がある。「人類はみな兄弟」をもじった「麺類はみな兄弟」は、はたして成立するのか?
 麺類は確かに、たくさんの種類がある。中央アジアで小麦粉を使った食べ物が生まれ、それが西はヨーロッパに伝わってスパゲッティーとなり、東は中国を経由して奈良時代に饂飩として日本に伝わってうどんになった。そんな説を聞いたことがある。そうなると、うどんとスパゲッティーは兄弟みたいなものだ。
 うどん、冷や麦、そうめんはどう違うか。香川県の小豆島そうめんを取材した時、おもしろいことを聞いた。直径0.9ミリ以下はブランドそうめん「島の光」、それ以上1.2ミリまでが小豆島そうめん、1.9ミリまでが冷や麦、2ミリ以上はうどんとして出荷する。それならが、この3つは兄弟以外の何物でもない。
 3つに差がるとすれば、冷や麦には赤や黄色や青の色付き麺が入っていることだろうう。もう1つ、年寄りがよく食べる。「年寄の冷や麦」と言うくらいだから。
 ラーメンはどうか。これも小麦粉という共通点があるから、DNA鑑定を待つまでもなく、兄弟であろう。
 そばはどうか。そば粉で作るが、食べ方はよく似ている。揚げや天ぷら、牛肉をトッピングするのも共通している。カレーうどんがあるかと思えば、カレーそばだってある。ただ、十割そばや二八そばがあるのに、うどんにはない。
 そばは東日本のもので江戸っ子はもりそばを食べる時に、そばつゆを箸の先につけるくらいの粋さを売り物にする。しかし死ぬ前に「1度つゆをたくさんつけて食べたかった」と悔やむ。
 西日本は主にうどんだが、関西人は冷たいうどんも「ぶっかけ、つゆだく」で食べるから、死ぬ前も悔いはない。そんな違いもあるので、兄弟とは言い難いが、親類ではあるだろう。
 ビーフンはどうか。米から作るが、焼きビーフンは焼きそばにも似ている。中国中心の食べ物で、日本では都道府県の住人のうち、ケンミンがよく食べるかもしれないので、遠い親類の認定しよう。
 ここまではいい。トコロテン、クズ切り、糸コンニャク、はるさめ、マカロニとなると悩ましい。
 はるさめは湯で戻し、鶏ガラスープの素を加えて煮る、具はザーサイの細切りたっぷり、ハムの細切り、エノキダケ。湯の量は、でき上った時に、ヒタヒタになる程度。皿に盛って、大葉の細切りを散らし、冷蔵庫で冷やす。食べる時にポン酢を少しふる。
 これは変則冷麺だから、赤の他人とは言い難い。(梶川伸)2021.09.22

更新日時 2021/09/22


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