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心にしみる一言(350) せめて松の内が明けるまで食べんとってほしいが

正伝寺のナンテン

◇一言◇
 せめて松の内が明けるまで食べんとってほしいが

◇本文◇
 この言葉だけでは分かりにくいので、その前段をつけて完全形にすると、「ヒヨドリが食べに来いへんかったら、赤々としたまま正月を迎えられる。せめて松の内が明けるまで食べんとってほしいが」となる。ナンテンの実についての会話だった。
 京都市・西加茂の正伝寺を訪ねた時のことだった。ナンテンの赤い実が目に入った。本堂の入り口に、背の高いナンテンの木がまとまって植えてあったからだ。白壁を背景にして、たわわに下がる房は鮮やかだった。
 住職と話したが、しばらくナンテンの話題が続いた、住職は年末になると、ナンテンを見ながら願う。それが取り上げた言葉だった。
 現実はどうか。「正月までは食べない。正月を過ぎると食べる」。そんな年が多いそうだ。ヒヨドリは願いを聞き入れてくれているのだった。(梶川伸)2021.12.03

 



更新日時 2021/12/03


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