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編集長のズボラ料理(567) レンコンチップス

衣に青ノリを入れてもいい

 カフェはどうも肌に合わない。何だか気取った感じで、深みを感じない。店と客との関係も淡泊で素っ気ない。そのように団塊の世代は思うのだ。
 それは偏見だとはわかっているのだが、僕らには物足りない。それより、一膳飯屋や行きつけの安い居酒屋さんの方がいい。団塊の世代は概して寂しがり屋で、もっとベタベタした店に足が向く。
 冷静に考えると、どうもカフェへのコンプレックスが根底にある。客は若い人が多い。それなのに、自分は年寄だから、カフェ的雰囲気に浸る勇気がない。それが本音だおと、自己分析している。
 カフェの玄関に立つ。ドアを開けるのをちゅうちょする。開けたとたん、中の若い人たちが「ええ年して、こんな店に」と、白い目で見るかもしれないではないか。
 席について、注文するため、メニューを見る。知らない食べ物ばかりだったらどうしよう。決めかねてモジモジしていたら、店員さんがイライラした表情を見せるかもしれない。
 うまく注文したとしても、料理が運ばれてくるまで、何をして時間を過ごせばういいのか。スポーツ新聞はないし、文春砲も置いていないだろう。手持ち無沙汰で下を向いていると、哀れみの目で見られるかもしれない。
 ということで、四国遍路旅の先達(案内人)で、昼ご飯の店を決める時に、カフェを時々選んでみる。年寄りも、みんなで入れば怖くない。
 2018年の遍路旅(1泊2日ずつ)の最初の昼食は、徳島県鳴門市の「れんまるカフェ」にした。1番霊場は鳴門市にあり、鳴門市といえばレンコンの産地だからだ。
 食べたのはカレーのセット。カットしたレンコンがルーの上にたくさん乗っていた。それに、これも名物のサツマイモ「鳴門金時」。カレーのほかにレンコンチップス、ゆでたレンコン入り野菜サラダ、レンコンの入ったポテトサラダ。
 店はそれなりに広かったが、客はほぼ満員。おしゃれな店で、客の大半は女性で、年寄はいない。では、僕らは身を縮めていたかといと、そうではない、こちらは10人でで、合計すれば750歳を誇る。他の客全員と店員さんを合計しても、かなうはずがない。」どうだ!それにレンコンは本来、年寄りが好きな食べ物ではないか。
 レンコンはピーラーで皮をむき、薄めの輪切りにする。小麦粉、コーンスターチ少々、白だし、マヨネーズを混せる。それを衣にしてレンコンを揚げる。
 インスタグラムを見ていたら、この料理をアップしている人がいたので、少しアレンジして作ってみた。ちょっとカフェっぽい料理。(梶川伸)2021.12.10

更新日時 2021/12/10


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