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編集長のズボラ料理(569) リンゴと大根のマリネ

リンゴの皮を少し残し、赤色を見せてもいい

 知らないということは、おもしろい。僕の場合、料理に関して知らないことだらけだから、おもしろいことだらけだ。
 毎年、信州からリンゴが送られてくる。それも2回。今年も10月に1箱目が届いた。リンゴは「まだあげそめし前髪の」のころから好きだが、年をとると歯が弱り、若い時のようにガリガリ食べられなくなった。
 以前は1日に2個は食べたが、やがて1個に減り、最近は1回に半分のこともある。そうなると、リンゴの減り方が鈍る。早く食べきらないと、次の箱が来る。さあ、どうしよう。
 そうだ、アップルパイにしよう。「そうだ、京都に行こう。」のもじりである。それにしても、キャッチコピーなのに、なぜ「。」が入っているのか。このコピーのヒットのせいで、文になっていないフレーズに、やたらと「。」が目立つ。それが気になって、「そうだ、僕もつい使ってみよう。」となってしまった。
 アップルパイの生地は、スーパーの冷凍食品コーナーで見たことがある。これがあれば、後は簡単にできるはず。
 生地を手にしたが、どうも僕のイメージと違う。厚いのだ。これでは、パイ生地の方が偉そうにするではないか。アップルパイはあくまでもリンゴが主役なのに。
 さて、作ってみる。生地を取り出して解凍しなながら袋の裏の作り方を詠んで、疑問は氷解した。めん棒で伸ばし、薄くして使うのだった。なーんだ。知らないことは、知ってしまうと、何ともしょうもない。
 それにしても、生地は長方形で、1枚ではパイの形にならない。どうせいというにだ。そう思って、注意書きを見ると、2枚の1部を重ね、溶き卵を接着材代わりにしてくっつける。なーんだ、そうだのか。知ってしまえば、当たり前のことではないか。しょうもにあと思ったが、質はアップアップしながら、アップルパイを何とか作った。
 今回は知っていることだけで、ズボラにリンゴ料理を作った
 リンゴがまた送られてくる。そこで、簡単に食べられるものを作った。リンゴは皮をむいて薄切り。大根も皮をむいて薄切りにする、軽く塩をふる。ワインビネガー、砂糖、バージンオイルを混ぜ、リンゴと大根を和えてコショウをふる。生ハムとスイートバジルをトッピングする。
 リンゴがまた1箱届いた。また、アップルパイを作った。青森県出身のご近所さんが、実家から送られてきたリンゴ5個を持ってきた。また、アップルパイを作った。生地が半分残った。また、アップルパイを作った。もう知らないことがなくなってので、ちっともおもしろくなかった。(梶川伸)2021.12.20

更新日時 2021/12/20


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