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編集長のズボラ料理(696) 鯛のオリーブオイル焼き

皮のパリパリさが大事

 娘夫婦は共働きだ。夫が仕事で自分が休みの日、娘が時々遊びに来る。電車で4駅と近いことも影響している。
 昼を目指して來る。昼ご飯狙いである。仕方ないから、食べ物を何種類か用意する。駅に着くと、ラインメールが入る。駅から歩いて10分足らずだから、温かい食べ物を作り出す。娘の作戦にまんまと乗せられて。
 娘は午後6時をメドに帰っていく。夫が帰ってくるので、夕食の準備をするためだ。しかし、時刻設定は計算されている。僕が作ったもののうち、量の多いもの を選んでジップロックに入れ、持って帰って夕食の一品、二品にする。
 これが続くので、いつの間にか、昼の料理を多めに作るように習慣化させられてしまった。だから、昼ご飯を食べ始めると同時に、持って帰るものを別の皿に移すようになった。全くためらいがない。
 それほど世話になりながら、昼ご飯を食べながら、料理を評価して好き勝手なことを言う。「また、居酒屋メニューやな」「独創性がない」「最近、ミートローフを作るのを怠ってる」。いい加減にせいである。
 ところが先日、珍しく「レストラン風や」とほめたものがあった。鯛をソテーした簡単なものだったが。
 そこで、「レストラン風」とは何かを考えたみた。レストラン仕様はまず、皿が大きくて、料理が小さくなければならないだろう。ソテーはオリーブオイルを使う。付け合わせが少しいる。ソースはかかっていなければならない。皿は高めのおしゃれなもの。
 だが、僕の鯛の料理は、ほとんど当てはまらない。唯一、オリーブオイルを使っていることくらい。結局、娘はいろいろ言うが、グルメではないのだ。
 あまり大きくない鯛を3枚におろし、身だけにしたもをスーパーで売っていたので、これを使った。皮の方に包丁で切り込みを入れ、塩、コショウをふる。エリンギを縦に二等分か四等分に切る。フライパンにオリーブオイルを多めに入れて熱し、鯛は皮の方を下にして揚げ焼きにする。皮がパリパリになったら繰り返して、さらに焼き、でき上がったら皿に乗せる。そのフライパンでエリンギを炒め、最後にニンニクしょうゆを垂らして味をつけ、鯛の横にあしらう。フライパンに残ったニンニクしょうゆ・オリーブオイルを、ソースとして鯛にかける。
 娘の評価が良かったので、レストラン風とは簡単なものだと思った。ただ「風」と一文字ついている。皿も大きくないし、安いから仕方がないか。(梶川伸)2023.11.11

更新日時 2023/11/11


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