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草花の一瞬の表情を撮る 幣次三郎さん

愛用のカメラを構える幣次さん

 池田市伏尾台に住む幣次(へいつぎ)三郎さん(72)は、停年退職後に始めた趣味のカメラで、四季折々に美しい姿を見せる草花の写真を撮り続けている。「その日の天気や、時間による光の加減など、最高の表情を見せるのは一瞬だけ。1本の花を朝、昼、晩と撮り続ける」と話す。好きな花はバラ。雨上がり、滴が花びらを伝う瞬間を狙う。時にはメジロなどの小鳥がフレームに入り込み、可愛らしい表情を捉えることもある。
 撮影場所は近くの公園や五月山などが多い。「伏尾台には33年住んでいる。静かで空気もきれいな、住みやすい街」と愛着を見せる。それでも最近は過疎化が進んだと話し、「空き家も多く、見た目よりも人は少ないですよ」と寂しそうだ。作品はパネルにして、池田伏尾台郵便局や、近くの老人ホームなどで展示し、訪れる人の目を楽しませている。
 「最近は花が呼んでいるというか、いいタイミングで花の前に来ることも多い。見た人が喜んでくれる、そんな写真を撮り続けたい」。カメラを構えた幣次さんの目が、真剣さを増した。(礒野健一)

更新日時 2013/05/31


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