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編集長のズボラ料理(118) 簡単タンドリーチキン

ニンニクオイルで焼くのもいい

 食べ物は毎日のことだから、バリエーションの多い方がいい。特に健康がからむと、いろいろ試してみたくなり、まずスタートを切る。ただし、ほとんどはすぐに力つきる。健康というゴールに着くことなど、まずありえない。
 野菜のスムージー毎朝飲むと、体にいいらしい。まあ、当たり前のことなのだが、テレビで2~3回取り上げられると、クラウチングスタートの体制に入り、スタートの合図を待つ。合図は「簡単なミキサーを買おう」の一言で、この言葉には必ず次の言葉がセットになっている。「そんなに高いもんじゃないし」
 「飲みにくいかと思ったけど、野菜だけのスムージーも結構おいしいね」。そんな会話が1カ月ほど続き、やがてミキサーは出番を失っていく。その時期には、スムージーというおしゃれな言い方はしない。「野菜ジュースがほしくなったら、スーパーで買えばいいし」といった具合である。
 台所の棚の扉を開けると、小さなミキサーが控え目に控えている。なぜ、控えめなのか? わが家にももともと、ミキサーはあった。ところが、「ジューサーもいいらしい」と教えられ、ジューサーにもミキサーになるものに買い替えた。
 しばらくすると、「ちょっと大きすぎない?」の声が上がり、ミキサーに買い替えた。それも、いつの間にか消え去った。だから、スムージーに対応するには、新しい小型のものを再購入せざるを得なかった、華々しく登場したものの、「野菜だけっていうのは、どうなのかなあ」という疑問がわき、棚の中で過去の栄光を振り返るだけの存在になってしまったのだ。「どうなのか」という疑問は、おおむね10回前後から芽生えてくる。
  ミキサーの横には、2軍落ちして久しいブレンダーが座っている。「カボチャのポタージュスープを作るには便利だからな」。それがスタートの合図で、やはり「そう、高いもんじゃないし」の一言が後押しした。やがて、「カボチャのスープも、何度か飲むとあきるね」となる。「何度か」とは、おおむね7~8回のことを言う。
ヨーグルトは体にいいらしい。そこで、カスピ海ヨーグルトを買ってきて一部をタネとして残し、それに牛乳を加えて、ヨーグルトを増やしては食べる。しかし、「いつも、いつもモーグルとはあきるね」となり、テーブルの上にも、冷蔵庫な中にも、姿が見えなくなった。「いつも、いつも」はおおむね、5~6回のことを意味する。ほしくなったら、スーパーで買えばいいし。
うちの冷蔵庫からカスピ海ヨーグルトが姿をけして久しい。代わって、小さいながら存在感を示しているのが、「R-1」という飲むヨーグルトだ。これも「体にいい」と言われて一時期、品切れ状態だったが、ブームも落ち着いてきたので手に入る。
長い試行錯誤から分かったことがある。作るものは長続きしない。買ってくるものは長続きする。これで、いいのかなあ。
 鶏のぶつ切りに塩コショウをふり、上から叩いてなるべく平たくする。ヨーグルトにカレー粉を混ぜ、パプリカ、ナツメグなど好きな香辛料も加える。それに鶏をしばらく漬け込む。オーブンで焼くのがいいのだが、面倒臭いので、フライパンにオリーブオイルをひいで焼く。これは作るのだが、手抜き・ズボラ料理なので長続きするのではないか。(梶川伸)2014.02.14

スムージー カスピ海ヨーグルト ブレンダー タンドリーチキン

更新日時 2015/02/14


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