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編集長のズボラ料理(121) ニンジンの漬け物の大葉巻き

ニンジンのほか、大根も使うと彩りが良い

 酒飲み仲間で、岩手県に行った。行きは新幹線で、東京駅で東海道新幹線から東北新幹線に乗り換える前に、駅弁を買った。
 そうなると、欲しくなる。探したら、うってつけのもの見つけた。「東京駅100周年」の記念ビールだった。
 その直前、少し時間があったので、新しくなった東京駅の丸の内口を見ていた。みんなで並んで写真を撮った。お上りさんとして典型的な行動を取った後の、東京駅の締めくくりととして、これほどのビールはない。
 そうなると、ほしくなる。コリコリしていて、小さく切ってあり、しかも1つずつ個装してあるたくわんのことだ。駅弁に添えてある漬け物では、ちょっと物足りないので。
 このたくわん、列車の中のつまみとして、きわめて優れている。手が汚れることもなく、みんなでボリボリ食べられる。
 ところが、これは見つからない。発車時刻が迫ってくる。しかたなく、「東京たこせんべい から揚げ」を買った。食べながら飲んだが、欲求不満が残った。
 盛岡駅に着いた。帰りは花巻空港から飛行機なので、今回のリーダーが「もう、駅には来ないから」と高らかに告げ、土産物コーナーに案内した。そこで、また言う。「東北土産は漬け物とみそ」。断定である。
 僕は車中の欲求不満もあって、漬け物を3種類も買ってしまった。青唐・味噌ひめたけ、らん菊漬、小十郎漬。まだどこも観光・見学をしていないのに。それも、駅の構内で。
 リーダーの姉夫婦が盛岡に住んでいたことがあるという。僕らの岩手行きを知っているので、リーダーの携帯電話におせっかいな指示が入る。初日の夕方、みんで散策をしていて、ガイドブックに載っていた、じゃじゃ麺(めん)の店を見つけた。ホテルからも近い。すかさず僕は提案した。「夜食にでも、食べてみよう」
 すかさずの2乗くらいの早さで却下された。リーダーの姉からのメールの中にあった、「行ってはいけない店」に、ノミネートされていたからだった。
 その代わり、「ミッションが届いている」とリーダーは発表した。「神子田(みこた)の朝市に行け」
 ホテルのフロントで行き方や時間を聞いた。結論は午前6時にタクシーで出発することだった。飲み過ぎの身には、ミッション・インポシブルである。それでも、10分ほどタクシーに待ってもらいはしたが、何とか朝市に行った。あまり寒いので、ひっつみ(郷土料理のだんご汁)を食べ、早々に引き揚げた。朝市で仕入れたのは、ニンジンの漬け物の大葉巻きだけ。リーダーに洗脳されていたに違いない。
 ちなみに、みそは花巻空港で買った。重さ1キロ。重い土産だったが、リーダーからのミッションは、すべてやりとげたことになる。
 神子田の朝市の味を盗むことにした。ニンジンを大葉に合わせた長さの棒状に切り、浅漬けの素に1日漬けておく。大葉は白しょうゆに15分ほど漬ける。ペーパータオルで大場の水分を取り、ニンジン3~4本を包んで巻く。朝市で作り方を聞いていたわけではないので、これでいいのかどうか、非常に怪しい。(梶川伸)2015.02.25

らん菊漬 小十郎漬 神子田の朝市

更新日時 2015/02/25


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