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編集長のズボラ料理(244) サトイモとイカの煮物

通常はもう少し煮詰める

 定番という言葉がある。料理にも使う。この場合は、得意料理のようなイメージがある。
 僕の場合もいくつかある。子どもが小さいころ、休みの日に友だちを連れてくると、フルーツポンチをたくさん作って、おたまで自由にすくって自由に飲み、食べてもらった。
 容器はいつも決まっていた。ガラスのボールのような容器で、分厚く重かった。丈夫なので、30年近くたっても、まだ活躍している。
 オレンジジュースとサイダーを使い、アルコールはもちろん入れない。それにリンゴ、イチゴをカットし、缶詰めのミカン、パイナップル、白桃なども加えた。結構受けた。しかし、親類の小さな子どもたちが昨年来た時に久し振りに作ったが、受けなかった。時代は変わっているのかもしれない。
 正月の2日か3日に、親類がよく遊びに来る。その際の定番は、紅茶豚のマーマレード焼き(ズボラ料理⑲)である。親類はそれを楽しみにしているとも言うし、自宅でも作るようになったと話してはいる。ただ、……。
 来るときには人数が多いので、マーマレード焼き以外にもいくつか作る。1番最初になくなるのは、スパゲッティーなのだ。何の変哲もない。ちょっと傷つく。
 鉄板というのがある。「これは間違いない」という食べ物のことだ。僕の場合、例えば豆腐の野沢菜ピカタである。さまざまな人に食べてもらったが、敬遠されたことはほぼない。これはズボラ料理の第1回に紹介した。ただ……。
 「鉄板」にはどうやったって、誰が作ったってもうまくいく、といったニュアンスがある。これも、ちょっと傷つく。
 では、鉄板のサトイモとイカの煮物。サトイモは皮をむき、大きいものは2つ、もしくは3つに切る。イカは皮をはいで、適当に切る。安い時なら1杯100円余りで売っているから、そんな時はたくさん使う。そうすれば、サトイモにイカの味がつく。最近は切ったものを売っているから、それでもいい。
 強めにだしをとり、砂糖を入れてサトイモを煮る。火が通って柔らかくなってきたら、イカも入れる。またしばらく煮てから、しょうゆとみりんを入れ、落しぶたをして弱火で煮詰まる直前まで煮る。
 料理と言うより、おかずと言った方が似つかわしい。それが鉄板たるゆえんかもしれない。(梶川伸)

更新日時 2017/02/06


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