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心にしみる一言(112) 雷が怖い。ポンチョをかぶり、「すいません」「ごめんなさい」と謙虚になる。 

◇一言◇
 雷が怖い。雷雲が1時間も2時間もとどまっている時がある。寝てポンチョをかぶり、「すいません」「ごめんなさい」と謙虚になる。

◇本文◇
 私自身が遊びで自転車に乗っているころ、自転車で世界一周をした永谷彰朗さんい話を聞いたことがあった。2001年のことで、当時は京都府宇治田原町議会議員だった。
 1988年から95年にかけて、5大陸7万5000キロを走破していた。だから、聞くことすべてが面白く、興味深かった。
 世界1周の時には、パンク修理ができるくらい。それでも出かけて行った。「やりたい、行きたい、挑戦してみたい。技術はあとから。お金もアルバイトしながら」。思いの強さがそうさせたが、140万円の貯金が2年間でなくなったとか。
 キャンプ、自炊が基本。1週間に1度、モーテルに泊まった。危険と隣り合わせの自転車旅が続く。「大地を背中にして寝る。気持ちがいい。大地の温かさ」と思ったが、音に気づくと、ガラガラヘビがいた。
 アマゾンは蚊がよってくる。「蚊取り線香を4カ所でたき、その間で大便をする。10秒、20秒で。早グソは旅人の技術」
 天気も旅を大きく左右する。そこで語ったのが、取り上げた言葉だった。ちょっとユーモラスな感じもするが、本人は命に係わる。
 サハラ砂漠横断も命がけだった。軍隊はやめろと言った。遺書をヨーロッパ人に託して出発した。「5年準備して、最善をつくして、やっと行けるかどうか。自分がどこにいるかわからないほど、怖いことはない」。さあらに言う。「サハラで怖いのは、道に迷う、水がなくなる、盗賊にあう。ゲリラに捕まって射殺されかった。リーダーと交渉し、金で解決した」
 最後は世界一周して一言。「自分の弱さをさらけ出した。やめたいと思いながら走っていた。しかし自転車は、自分を引き出し、成長させてくれる乗り物だった」。(梶川伸)2017.06.30

更新日時 2017/06/30


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