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心にしみる一言(284) 感性を磨くには夕日を見よう

白毫寺の萩

◇一言◇
 感性を磨くには夕日を見よう

◇本文◇
 連載記事「寺の花ものがたり」で奈良市の白毫寺(びゃくごうじ)を訪ね、住職に取材した時の言葉を取り上げた。萩で知られる寺だが、話は花のことから感性のことに移り、さらに夕日へとつながった。
 まず花のこと。「花は形があり、色があり、花によっては香りがある。人間に働きかけて、安らぎや癒しを与える知恵がある。見る場合に感性もあるので、まちまちだが、でも花の知恵を知ってほしい。そうすると、花も咲きがいがあって喜ぶ。感性は美しいと思うと磨かれる」
 そこから、感性の話につながった。「スイスのユングは、幸せの条件として、健康、豊かさ、仲良くなれる、朝起きたときにすることがあることなどとともに、感性を高めると幸せになるという」。そうして、取り上げた「感性を磨くには夕陽を見よう」につながった。
 寺は小高い場所にあり、見晴らしがいい。夕陽が沈むのがよく見える。「早坂あきら(作家)は、夕陽で限界を知ると書いている。1日の限界。人間にも命という限界がある。すべて限界があることを知る。できることは、できる時にする方がいい」
 「太陽と空気は私たちに平等。ありがたいと思わなければいけない。朝日は希望、夕陽はやすらぎ。このリズムが大事やね」。次々と印象に残る言葉が続いた。
 「夕焼けは沈まないうち、小焼けは沈んでからと、フランス人に教えられた」。最後に「感性が豊かな人は徳性があり、優しく、円満」と、僧侶らしく締めくくった。(梶川伸)2021.01.25

更新日時 2021/01/25


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