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編集長のズボラ料理(504) マスタード豚カツ

好みでソースなどをかけて食べる

 店で豚カツを食べる。すると、テーブルの上に、カラシが用意されていることがある。瓶に入っていたり、小さな袋に入っていたりする。用意されているので、それをつけて食べる。
 それなら、最初からからしをつけてとんかつにすればいいのではないか。そんなつまらない発想が、今回の料理となる。
 下ごしらえの時か、できあがってからか。調理の際に、悩むケースはいくつかある。
 例えば、ぶりの照り焼き。通常は、しょうゆ、みりん、酒にブリの切り身を漬けておいてから焼く。ところが、焼くのが案外難しい。すぐ表面が焦げてしまう。オーブンで焼いてもフライパンで焼いても同じことだから、テーブルに運ぶ時に「少し焦げちゃった」と、頭をかくことになる。
 それが続くと、頭をかいてばかりはいられない。2回目は手をおでこにあてて、「まただわ」となる。3回目にもなると、片手を顔の前に立てて、「ごめん」と誤るはめになる。
 次の失敗は許されない。では、どうするか。何もつけないブリの切り身を、少しだけ油をひいたフライパンで両面を焼く。そうしておいて、しょうゆ、みりん、砂糖、カタクリ粉を混ぜたものをかけて、さっと焼く。僕ら程度の舌であれば、これもブリ照りの許容範囲ではないか。
 焼き肉を食べに行く。たれに漬け込んだものを焼くケースがある。この場合は煙がたくさん出るので、目が痛くなるので、ゴーグルを持って行くことをお勧めする。大阪市・鶴橋の新楽井(あらい)なら、各種ゴーグルが用意してあるからいいが。それどころか、ゴーグルをはめて焼肉を食べるために、わざわざ新楽井に行く人だっている。僕だが。
 何もつけずに焼いてから、たれにつけて食べる店もある。僕くらいの舌では、どちらもおいしいから、特別にどちらを選ぶというこだわりはない。
 家で焼き肉をする時はどうするか。たれに漬け込むのは面倒臭いから、焼いてからエバラ焼き肉のたれをつけて食べる。時には、モランボン焼き肉のたれに変える。また時にはしょうゆに変え、あるいは塩かワサビかをちょっとつけるか、何もつけないことにして、「サイコロステーキ」だと言い聞かせて食べる。
 豚カツ用の豚肉の切り身に塩、コショウをする。片面にマスタードをベッタリと塗る。小麦粉をまぶすが、マスタードは見えなくなるようにする。溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。
 マスタードにしたのがわずかな工夫だが、鼻にツンツンくるのが好きならば、カラシにする。そうすれば、店で食べる時と、カラシをつける順序が変わっただけになる。(梶川伸)2021.05.27

更新日時 2021/05/23


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