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災害時のライフライン② 豊中・雨水貯留施設

大阪空港地下に建設された雨水貯留施設。建設は大阪府と国土交通省が共同して行い、維持管理は豊中市上下水道局に委託されている

 近畿地方は平年より12日早く、5月26日に梅雨入り宣言が出された。しとしと降り続く雨も気になるが、短時間に猛烈な雨量を記録するゲリラ豪雨は、都市型洪水を引き起こし大きな被害をもたらすため、気を付けなくてはならない。
 豊中市では2006年8月、1時間に110ミリという豪雨があった。10年に1度の大雨として想定される値は1時間に51.1ミリ。その倍以上の降水量を記録し、床上浸水103戸、床下浸水225戸の被害を出し、国道176号も冠水した。
 こうした記録的な豪雨まで対応していくのは難しいが、市では一時的に雨水をためて下水管への負担を軽くし、家屋への浸水を防ぐよう、雨水貯留施設を24カ所に設置している。
 このうち、市内の10小学校(南丘、東豊台、原田、南桜塚、北条、小曽根、豊南、野田、島田、庄内西)では校庭貯留工事が行われた。校内から下水道への流入口を小さくし、雨水の流れ込む量を減らす仕組みだ。雨水はその間校庭にためられるが、児童の安全を考え、貯留時の水深は30センチとなっている。
 大阪空港の地下にも、巨大な雨水貯留施設がある。空港周辺は豪雨による浸水被害が度々発生しており、1994年9月にはターミナルビル地階が浸水し、空港機能が停止した。2008年に完成した貯留施設は、幅5.75メートルの管を1.84キロメートルに渡って空港東側の地下に設置したもので、約4万5000立方メートル、50メートルプール約30杯分を貯留することが可能だ。
 一時的にためた水は雨が上がった後、ポンプでくみ上げて猪名川へ流す。完成後はまだ大雨に見舞われたことがなく、本領を発揮したことはないものの、有事に備えて点検に余念はない。(礒野健一)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」23号(2011年6月9日)

大阪空港 豊中市上下水道局

更新日時 2011/06/09


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