このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ「料理(127) ササミのオリーブオイル焼き

ササミの切れ目にはさむものは好みで

 いつも車1台で出かける遊び仲間がいる。車の定員が5人だから、5人組である。
 4人組ではない。ただ似ているところが、ないわけではない。女3人、男2人の構成だが、3人が4人組のリーダーだった江青女史のような力を持っているのだ。例えば、運転は女性の1人が買って出る。では、夫はどうしているのか。もう1人の男性メンバーだが、助手席に静かに座っている。
 先日、兵庫県の北の方に桜を見に行った。5人もいて話の展開上、ややこしいから、運転する妻はAとする。男は存在感が薄いから、夫はその他1、僕はその他2である。
 後部座席に3人座る。僕と女性2人。その2人うちの1人Bが、車が動き出すと、さっそく手提げ袋からお菓子を取り出す。まず豆菓子。続いて、チーズ味のほぐしイカ。さらに、おしゃぶりコンブ。しゃぶりながら、しゃべり続ける。いくらしゃぶっても、お菓子はなくならない。まだ袋に一杯入っている。
 観桜が目的だが、いつものように現実は花よりだんご。桜をさっさと見て車に戻ると、後部座席の女性のもう1人Cが言う。「おなかがすいた」。江青Cは正午をすぎてエサにありつけないと、10分に1回の割で「お腹がすいた」を繰り返し、強い圧力をかける。
道の駅を見つけて、各自食べた。普通のグループならちょっと買い物をして車に戻るのだが、そうはいかない。全員が1つの窓口の前に整列した。道の駅の建物の前に立っていたのぼりを見ていたかからだ。のぼりには、「八鹿(ようか)豚の豚まん」と書いてあったのだ。
 その他1と2は満腹状態で、豚まんは持って帰ろうと考えていた。しかし、3人江青はそれを許さない。その場で食べる。それどころか江青Bは、持参していた缶ビールとノンアルコールビールを取り出し、「飲め」と圧力をかける。その他2はやむなく、屋外のベンチに座り、無理やりビールを飲み、豚まんを食べる。そして飲みきれなかったビールを土に流す。気づかれないように。
帰途について、順調に走っていると突然、江青Aは突然ハンドルを切り、道路右側の駐車場に入る。車が止まると、すぐに小さな建物に入る。その他1、2はついて行く。それは「日本一たい焼」の店だった。もうお腹に入らない。でも、さからうわけにはいかない。
何とかタイ焼きをお腹に押し込んで、ホッとしたころに出発点に戻る。すると夕食となる。Bは焼きトリが好きだが、近くに店がない。やむをなく、焼きソバの店にした。「焼き」が共通しているだけで、何の関連性もない。1人前400円。焼酎150円、日本酒350円。良い花見だった。
 Bにこびを売って、桜の時に食べられなかった鶏の料理である。鶏のササミを使う。白い筋のような部分に切れ目を入れ、ついでに白い部分を切り取る。オリーブオイル、しょうゆ、みりんをあわせたものに、鶏を漬けておく。鶏の切れ目のマスタード、バジルペースト、ドライトマトのオリーブオイル漬け、とろけるチーズ、ノリの佃煮など、好きなものをはさむ。それをオーブンで焼く。フライパンの場合は弱火で焼き、火が中まで通るように、途中でふたをして蒸し焼きにする。最後はふたをとった方が、表面が焼けて良い。(梶川伸)2015.04.13

八鹿豚の豚まん

更新日時 2015/04/13


関連地図情報

関連リンク