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編集長のズボラ料理(172) モズクの天ぷら

モズクのほか、好きなものを入れてみる

 スーパーに行くと、3つがセットになって売っているものがある。これは便利なのだろうか。
 例えば納豆。発布スチロールの容器に入って、3つの容器が積み重ねてあり、幅広の帯で縛ってある。1つが1回分になっていて、カラシやタレもそれぞれについている。僕も1パックを1回分として食べるが、時々疑問を感じる。
 1回分の量は、どういう方法で算定されたのか? 確かに僕は、1食に1パックしか食べない。でも、それは1パックが非常に丁寧に包装されているため、何者も寄せ付けつけない威厳があり、それに洗脳されているだけではないのか。その密閉性に問題があるのではないのか。
 ご飯に乗せるが、面倒くさいからかき混ぜずに食べることがある。すると、納豆とご飯の比率間違いをすると、納豆が早めになくなる。もう1パック食べようか、と思案する。つまし、1パックの量は少なすぎるのではないか。
 ただ、2パック目に挑戦しようとすると、またパックを開いて、ビニールのフィルムをはがし、フィルムについた納豆をはずし、手が汚れるのを覚悟でカラシとタレのビニール袋を切らなければならない。それを想像するとブレーキになって、欲求不満のまま朝ご飯を終えることになる。あの密閉性が、強い拒否反応を起こさせるのだ。
 イカの塩辛も3個セットでよく売っている。これも1パック1回分かというと、大いに疑問だ。辛いし塩分も多いので、高血圧気味の僕としては、全部食べるのをちゅうちょする。しかし、残した場合、何かでふたをしなければならない。これが結構面倒くさい。しかたないから、全部食べてしまう。そして、血圧を上げる。決死の覚悟である。
 モズクも3パックセットを買うが、悩みがある。1パックで満足するのか、という悩みが。
 モズクは二杯酢やら三杯酢につけてある。これが曲者だと思う。モズクはわずかで、酢の中で泳いでいるだけである。だからモズクだけでは物足りず、酢を飲むことになる。欲求不満に陥って2パックに手をつけることがあるが、後でのどが渇く。決死の覚悟である。
 モズクをざるに入れ、酢を切る。小麦粉の少しコーンスターチを混ぜ、固めの衣をつくる。モズクのほか、刻みネギ、干しエビ、塩コンブなど好きな物を入れて衣と混ぜ、適当な大きさで天ぷらにする。このためには、少なくとも3パック1組はいる。
 大阪市大正区の沖縄料理店「うるま御殿」に行くと、モズクの天ぷらを必ず注文する。そんなにうまくはできないのは当然である。(梶川伸)2016.02.24

更新日時 2016/02/24


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