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編集長のズボラ料理(227) イカ、エビ、セロリのオイスターソース炒め

オイスターソースが決め手

 イカは安い時は安い。あたり前のことだが、スーパーに行くとそう思う。
 同じことが鯛のアラにも言える。安い時には、頭のアラが100円を切る。そんな値段でいいのだろうか、などと悩んだふりをして、買い物かごに入れる。ただし1パックだけにする。もし2パックだと、レジの時にちょっとバツが悪い。係の人が品物をセンサーにかざして計算するのだが、同じものが2つ続くと、レジの機械が「ブー」と鳴り、98円の鯛アラを2つも買ったことを、ほかの客に知らせてしまう。これは店側にようるブーイングに違いない。
 その点、安いイカは誇らしくもある。イカには何も手が加えられていなからだ。手が入ってないから、料理する時は皮をはぎ、内臓を取り、骨を抜き、足のイボの固い部分を取り除かなければいけない。その作業をするのは、イカにも料理好きらしいではないか。ただ僕の場合、誇りはたたけば出てくるくらいで、本音は安いから買うのだ。
 でも面倒くさい。最初からさばいてあればいいのに。ついそう思ってしまう。思ってしまう人が多からだろう、ちゃんと切ったものを売っている。その誘惑に、3回に1度は負けてしまう。そしてつぶやく。「楽、楽」
 エビも面倒くさい。殻をむく。それだけならいいのだが、背わたを取るのは手間がかかる。残っていてもいいではないか、と思うのだが、料理番組では必ず「背わたを取る」と付け加える。そうしないと、料理をする資格がないという呪縛にとらわれる。
 最初から加工してあればいいのに。ついそう思ってしまう。みんな思うから、ちゃんとある。その誘惑はイカの5倍くらいの強さがある。僕の場合、10回に9回まではそれを買う。殻付きは、お節料理にする時くらいだから、ズボラこのうえない。
 しかし、エビの加工には不満がある。殻は取ってあるが、背わたは残っている。中途半端このうえない。どうせなら、殻は残っていてもいいが、背わたを取っておいてほしい。ちょっと無理か。
 野菜も最近は、すぐに使えるカット野菜や、皮をむいてあるものをよく見る。この誘惑も強い。ただ、根切りモヤシだけは、買わないことにしている。買ったとしても、根が十分取れていないので、自分で根を切りたくなってしまうからだ。
 セロリは筋を取るのが面倒くさい。ところが、筋を取ったセロリは売っていないから、ピーラーなどを使って、自分で取る。
 今回は面倒くさい3つを使う。イカは短冊に切る。エビは小さければそのまま。大きければ2つに切る。セロリは細目の短冊に切る。3つをフライパンで炒める。味付けは鶏ガラスープかコンソメスープの素、砂糖、しょうゆ。しょうゆをやや控えめにするくらいで、それぞれの量はあまり気にしない。最後にオイスターソースで仕上げるが、その味が強いからだ。(梶川伸)2016.10.12
 

更新日時 2016/10/12


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