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編集長のズボラ料理(352) タマネギのソテーのタマネギ・バルサミコソース

バルサミコに甘みを加えるのがこつ

 前々回の「ソラマメのスープ」で、バルサコに関する失敗談を書いた。自分で考えたバルサミコのソースを焼きナスにかけたが、評判が悪かったという駄文だった。今回はその歴史に学んだリベンジ!
 そもそもバルサミコなるけったいなものを教えてくれたのは、弟の奥さんである。テニスでは大学時代に沢松和子選手と戦ったことがあるし、トールペインティングをするかと思えば、60歳を過ぎてからバイオリンを習うなど、何でもできる人である。
 料理も得意だから、僕の家に夫婦や家族で遊びにくると、食材や調味料をよく土産に持ってくる。そして講釈を垂れる。「アンチョビソースとバジルペーストとバルサミコを使えば、何でもイタリアンになるから」
 口答えはしない。すれば、必ずリターンエースを取られる。何でもできる中で1番得意なのが、しゃべりなのだから。
 この前の失敗に打ちひしがれている時、過去の人生を静かに振り返ってみた。そして、歴史に学ぶことにした。
 過去にもズボラ料理で、バルサミコを使ったことがある。マグロのバルサミコ焼き(20回)▽大根のバルサミコ焼き(107回)▽ネギのバルサミコ炒め(116回)▽タマネギの甘辛蒸し(165回)。彼女に洗脳された痕跡が並ぶ。
 これらを分析してみる。少なくとも、食べてもらって時に拒否反応はなかった。ということは、バルサイコには罪はない。となると、ナスとのマッチングか、ソースの作り方に問題があったに違いない。科学的な思考を重ねた結果が、今回のズボラ料理となった。
 主役としてタマネギの輪切りを使い、バターでソテーする。ソースにもタマネギにみじん切りを使うので、相性が悪いわけがない。それに、材料も少なくてすむし。友人が送ってきたタマネギがわんさかある。 
 この前のソースは、バルサミコで速球勝負すぎた。速球は打たれた時に反発力が強い。そこで、薄めてみた。フライパンに少量のオリーブオイルをたらし、タマネギのみじん切りを弱火でよく炒める。バルサミコを注ぎ、煮詰めていく。タマネギの甘さに頼るが、多分たりないので、砂糖も少し使う。直球を捨てたので、コンソメスープの素やら牛乳も少し加え、マイルドさを目指す。
 皿に盛った輪切りタマネギのソテーに、煮詰めたバルサミコソースをかけて食べる。これも歴史の教材になるかどうか。それは将来の僕が判断する。とはいいながら、自信がないので、3つしか作らなかった。(梶川伸)2019.05.29

更新日時 2019/05/29


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