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編集長のズボラ料理(490) アボカドとトマトのマヨネーズワサビグラタン

パン粉をふって少し焦がしてもいい

 アボカドを使う時、まず包丁で半分に切れ目を入れる。両手で持ってねじり、2つにする。そうすると、真ん丸な種がどちらかにくっついている。それを外し。てから、固い皮をはず。
 ここまでの過程で、いくつかポイントがある。まず、包丁で切れ目を入れるのは、縦なのか、横なのか。僕は最初、特に考えることもなく、横に包丁入れて切っていた。つまり上下半分にする。その方式だった。その方が切る長さが短いからだ。
 それに加えて、レモンやユズを切る時の体験が影響している。縦切りにしては果汁を絞ることができず、悔し涙を流した。決して酸っぱい汁が目に入ったわけではない。このため、2つに切る時は横、が固定観念になってしましまった。
 テレビを見て、縦横が入れ替わってしまった。料理人が縦切りにしていた。そうすれば、両手でひねるのも楽だし、動きが大きいので、テレビ映りがいい。な~るほどである。
 そこで僕も、縦切りに変更した。テレビに出るわけではないが、自分自身へのパフォーマンスである。ところが、切る長さが伸びることにより、1周した時に切り始めと切り終わりがずれることが多くなった。真ん中に大きな球形の種があり、その周りを切っていくことになるからだ。しかも、皮の切れ目が目に見えづらいから、感と経験と技術に頼ることになる。僕は自慢じゃないが、その3つとも備わってない。それでも、料理人のまねをする。かっこよく見えるではないか。誰も見てはいないが。
 次は、半分にした時に、種は半分のどちらかにへばりつく。何で切った時に、同時に外れてくれないのか。仕方ないから、外すことになる。
 これがやっかいだ。丸いからつかみようがない。そこで、包丁に刃の根本の部分を種に突き刺して、包丁を回しながら外す。テレビの料理人がしていたから、僕もそうする。
 これが怖い。まず突き刺す時、種の表面が滑りやすい、へたをすると、手のひらを突き刺してしまう。回す時も力がいる。失敗して包丁が外れたら、手のひらを刺してしまう。
 最後に固い皮をむく。手でむくと、皮がしぶとくて難儀する。そこで包丁を使う。実がスベスベしていて滑りやすく、へたをすると手を切ってしまう。
 そんな困難を乗り越えて、アボカドの実を小口切りにする。トマト、ソーセージも同様。これらをグラタン容器に入れる。マヨネーズ、ポン酢、ワサビをを混ぜて、上からかけ、オーブンで焼く。
 調理はズボラらしく簡単だが、下ごしらえは、危険覚悟の格闘だと心得ておく必要がある。
(梶川伸)2021.03.15


 

更新日時 2021/03/15


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