このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(498) 焼きズッキーニのトマトベーコンソース

ソースに赤ワインかトマトジュースを少し加えてもいい

 トマトが野菜に分類されと知った時は、かなりの衝撃を受けた。果物だとばかり思っていたからだ。
 その時に、野菜と果物の違いを調べればよかったのだが、そうしなかったせいで、半世紀ほどたって、また衝撃を受けることになった。
 遊び仲間で飲んだり食べたりしていた。1人がイチゴをつまみながら言った。「イチゴは果物か野菜か」
 僕は友人を「何も知らんもやっちゃな」といった目で見ながら、当然のように「果物やんか」と答えた。正解は野菜。友人は「何も知らんもやっちゃな」といった目で僕を見ながら言い誇った。
 これにはぶったまげた。ガックリきていると、次の質問が飛んできた。「スイカは?」。スイカは僕の1番好きな果物。間違えるはずがない。自信を持って答えた。「果物!」
 正解は野菜。何でや!僕の自信はガラガラと音をたてて崩れ落ちた。
 友人はさらに攻めてきた。「メロンは?」。あんな高いものが野菜であるはずがない。野菜は高くても7せいぜい200円から300円のはずだ。そう思いながらも、自信を喪失しているから、力弱く「果物」と答えた。
 正解は野菜。もう、何が何だかわからない。インターネットで調べると「野菜=食用とする草本植物の総称▽果物=草木の果実の食用となるもの」といった分類がわかりやすかった。
 大雑把にいえば、草にできるのが野菜で、木にできるのが果物だということだろう。僕はおかずにするものが野菜で、デザートで食べるものが果物と思っていたが、食べ方の問題ではなかったのだ。
 トマトはよく食べる。スーパーに行くと、産地や品種が変わりながら、年がら年中トマトが並んでいる。そこで、食べ比べてみることにした。
 地元の大和の恵、名前にひかれた濃厚トマト、固有名詞がついていた杉本農園のトマト、愛するアイコやアイちゃんや鬼実トマト……。いくらでもあるので、食べ続ける以外にない。そこで、今回はトマトを使う。
 ズッキーニの皮をゼブラ状にむく。斜め輪切りにし、塩・コショウをふって、軽く小麦粉をまぶす。トマトとドライトマトとベーコンを小さく切る。フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクのスライスを加えて熱し、ニンニクオイルを作る。ズッキーニの両面を焼き、皿に移す。そのフライパンにバターを少し加え、トマトとベーコンを炒めて、ズッキーニのソースにする。
 アボカドはデザートよりもおかずに使う。でも、木になるから果物なのか。ややこしすぎる。アボカドかアボガドかだけでもややこしいのに。(梶川伸)2021.04.16

更新日時 2021/04/16


関連リンク