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寺の花ものがたり(273) 東明寺(奈良県大和郡山市)青紅葉・夏椿=6月上旬~7月初め)

2020年6月21日撮影

 奈良の寺をふらりと訪ねると、思いがけない歴史に出会うことがある。矢田丘陵の中腹にある東明寺もそうだった。。
 訪れる人が少ない静かな寺。寺の縁起の紙が張ってあり、読んでみた。天武天皇の第3皇子、舎人(とねり)親王の創建という。
 舎人親王といえば、日本書記の編者と歴史で習った。母である持統天皇の眼病の回復を願ったのが、寺の建立につながていくという。歴史上の人物がゾロゾロ登場するので、思わず読み進んでしまう。
 紅葉(もみじ)の木が多い。秋も美しいのだろうが、訪ねた時の青紅葉も爽やかだった。山門から本堂にかけての石段の周辺に特に集まっていて、とりわけ風情がいい。訪ねた時は、ほかに参拝者はなく、緑を独り占めだった。
 本堂のそばに、夏椿(なつつばき)の木が数本。白い花びら、黄色の花芯がまた涼し気に感じた。
 
◇東寺寺(とうみょうじ)◇
 奈良県大和郡山市矢田町2230。近鉄橿原線郡山駅から矢田寺前行き、もしくは小泉駅東口行きバスで横山口下車、徒歩30分。0743-52-7320。持統天皇9年(694年)、舎人親王の創建伝えられる。本尊は薬師如来。境内自由。
(梶川伸)2021.06.06=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。

更新日時 2021/06/06


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