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寺の花ものがたり(293) 養源院(京都市東山区)枝垂れ桜=3月下旬~4月上旬

2002年3月28日撮影

 2002年の春は続けて2度、養源院を訪れた。1度目は京都国立博物館に行くのが主目的で、観覧の後でそばの三十三間堂を参拝し、さらに養源院に向かった。
 残念ながら拝観時間の終了直後で、建物の中に入るのはできなかった。山門から続く短い参道の枝垂れ桜は咲いていて、数は少ないのだが、時間切れの悔しさもあって印象に残り、写真に収めた。
 その年の桜は早かったようだ。3月28日だというのに、大きな桜の木はすでに葉桜になっていた。枝垂れも咲き残り風情だった。当時のメモにそうある
 境内に白衣弁才天が祭ってあった。小さな手桶がたくさん奉納されていて、山形に積み上げられ、どれも水が入っていた。
 3日後の3月末日、また寺を訪ねた。目的の展覧会が満員だったので、列に並ぶ代わりだった。初めて建物中に入った。うぐいす張りの廊下を歩いて、伏見桃山城の中の御殿を移築した部屋の前で、録音された説明を聞いた。
 城が落ちる時、380余人が切腹した。廊下に血の跡が残った。それを移して天井板として使ったという。
 その日のメモには、桜の記述がない。枝垂れもほとんどが散っていたのだろうか。

◆養源院(ようげんいん)◆
 京都市東山区三十三間堂廻り656。京都市バス博物館三十三間堂前か東山七条下車 徒歩約3分。京阪電車七条駅下車 徒歩約10分。075-561-3887。文禄3年(1594)淀殿が父・浅井長政追善のため創建。焼失したが、元和7年(1621)徳川秀忠夫人・崇源院(お江)が伏見城の遺構を移し再建した。本尊は阿弥陀如来。廃刊有料。
(梶川伸)2023.03.10=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。

更新日時 2023/03/10


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