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寺の花ものがたり(274) 松尾寺(奈良県大和郡山市)百合・カサブランカ=6月末~7月前半

2019年7月10日撮影

 バス停から緩い坂道を登って行った。蛇行する山道で、古代から七曲道(ななまがりみち)と呼ばれてきた。
 暑い日だったので、汗が流れ落ちた。寺が近づくと、道は木々に覆われているので、少しはましになった。
 寺に着くと、霊泉が湧き出ていて、それを口に含む。最後に石段が待っているからだ。
 石段を登りきると、華やかな色が目の前に広がった。それほど広くはない境内に、百合(ゆり)の鉢がギッシリと並んでいる。
 百合はカサブランカ。1つひとつのもも派手なのに、それが集まっているので、目を見張ってしまう。
 色は多種多様。ピンクが中心だが、濃い色もあれば薄い色もあり、見飽きない。ほかに黄色、白。柔らかいピンク以外は、どれもはっきりした色で、明るい境内を演出する。古刹のイメージとは対照的で、そのアンバランスさも印象に残った。
 7月10日のことだった。寺の人に聞くと、「花はあと1週間」と答えが返ってきた。

◇松尾寺(まつおでら)◇
 大和郡山市山田町683。近鉄郡山駅から泉原行きバスで25分、「泉原」終点バス停から徒歩で40分。0743-53-5023。養老2(718)年、舎人(とねり)親王が日本書記の完成と自らの42歳の厄除(やくよ)け祈願のために創建したと伝えられる。厄除け寺としては日本最古という。本尊は千手観音。境内自由。
(梶川伸)=情報提供・豊中市 2021.06.20

更新日時 2021/06/20


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