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編集長のズボラ料理(579) チーズ味豆腐ステーキ

しょうゆは垂らし、1度引っ繰り返したらすぐ取り出す

 関西人は粉もんが好きだ。お好み焼き。タコ焼き、イカ焼き。兵庫県明石市に行けば、玉子焼き(つゆにつけて食べるタコ焼き=明石焼き)もある。無理やりくっつければ、うどんも入る。
 奈良には「粉もん屋八」がある。タコ焼き中心の店で、今や高速餅つきの「中谷堂」と並んで、奈良の味の代表のような勢いがある。チェーン展開をして、支店の数は「八」を超え、全国に広がり始めているようだ。
 粉もんと聞くと、つい「粉もんや三度傘」と口をついて出てくる。その昔、藤田まこと主演の「てなもんや三度笠」というテレビ番組があったからだが、関東の人にはチンプンカンプンのしょうもないギャグかもしんない。
 粉もんのジャンルからは外れるが、粉チーズなら関東も関西も関係なく、根強い人気がある。本来はパルメザンチーズと言うべきだろうが、誰もそうは言わない。とろけるチーズとはいうが、正式のチーズ名など誰も知らないのと同じことだ。
 パルメザンチーズに関して、大阪のノリならパルチザンチーズとでも言いそうだが、聞いたことがない。ゲリラ的に使う人がいるかもしれないが、粉チーズが定着している以上、使ってもギャグと気づきにくいからだろう。ギャグの空振りほど、関西人が傷つくことはない。だからパルチザンでかけに出ることはしない。
 今回のズボラは、粉チーズを使うので、むりやりの導入文章になってしまった。もう1つの食材は豆腐だから、これも何とか関連づけをしておこうか。
 その昔、神戸市・六甲道の居酒屋さんに入った。初めての店で、料理のメニューを見ると、お好み焼きのコーナーがあった。いくつかの種類が書いてあったのだが、トップにあったものを頼んでみた。鉄板に生地を敷き、さいころに切った小さな豆腐、ネギ、とろけるチーズを乗せて焼く。和洋折衷の面白さ。
 そうだ、とろけるチーズを粉に変え、小麦粉と豆腐の立場を変えてしまおう。これがズボラ、てなもんや。
 豆腐を水切りして、半分の厚さに切る。小麦粉、クレイジーペッパー(なければ塩、コショウ)、たっぷりの粉チーズを混ぜ、これを豆腐に十分まぶす。フライパンにオリーブオイルをひいて熱し、豆腐を焼く。最後にニンニクしょうゆを垂らす(なければニンニクオイルで焼き、最後はしょうゆを垂らす)。
 粉もんの間口は広い。焼きそばや豚まん、ギョウザまで広がる。でも、もんじゃ焼きだけは加えたくない。なんじゃ、と思うくらいグジャグジャしていて、粉のかけらもない。ほんまは、単なる東京への対抗心だけかもしんない。(梶川伸)2022.02.08

更新日時 2022/02/08


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