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編集長のズボラ料理(607) タマネギマグオロのオープンサンド

パンは食パンのトーストでもいい

 奈良市の近鉄大和西大寺駅で時々、娘婿と軽く飲む。だが、そこには「黄金のトライアングル」と呼ばれるわなが仕掛けられている。
 西大寺駅はホームの2階に改札口があり、改札を出るまでに駅ナカの店が並んでいる。店の1つに、奈良豊澤酒造が経営する立ち飲みの店、蔵元豊祝大和西大寺店があり、ここが2人の出会いの場となる。
 僕の家から最寄り駅まで歩いて10分弱。そこから電車に乗って2駅。娘婿から電話がかかってから用意しても、30分で行き着く。
 「軽く飲む」が2人の合言葉だから、500円のセットを飲む。小さめのコップに入った日本酒「豊祝」に、ちまちまとした3点セットのあてがついている。これで十分なのだ。
 ただ、奈良らしいつまみを見つければ、500円ルールからはみだしてもいいという例外規定を設けている。前回は「奈良漬けとチーズの不思議な出会い」を見つけた。生の通りの食べ物で、2人でつまみながら飲んだ。例外追加はあったが、これでお終わりだから、ごく軽い酒である。
 店の出口を出て、正面に10歩進むと、「BARお酒の美術館」に突き当たる。洋酒の立ち飲みの店。店というよりはコーナーと言った作りで、入口もなければ、のれんもないから、歩いてそのままカウンターにたどり着く。これは飲むしかない。
 1番安いのは500円。外国産と日本産のウイスキーをブレンドした「西大寺」を頼む。あては我慢する。
 立ち飲みの連続なので、この辺りで立っているのがしんどくなる。それに、僕の場合、そのまま家に帰ると、乗る駅と降りる駅が同じになってしまい、ICOCAが使えない。そこでいったん改札口を出る。
 すると目の前のビルの地下に、大衆寿司居酒屋「杉玉」がある。ここは立ち飲みではない。足を休めるには最適。まだビールを飲んでいないから、軽く生ビール中ジョッキ1杯だけ飲むことにする。
 座ると腰が重くなる。生中1杯の時間では、足の疲れが取れず、酒に回帰して飲み、あとはおぼろ。これが世にいう「黄金のトラアングルのわな」である。「世」とは2人の世界のことだが。
 今回は杉玉で食べた「ネギマグロとオリーブオイルの素敵すぎる出遭い」をアレンジした。スーパーで「ネギトロ」用に売っているマグロを買ってくる。パンのバタールを食べやすい大きさにスライスする。タマネギを薄いくし切りにし、しばらく置く。バタールの上にタマネギを置き、その上にマグロを乗せて、バージンオリーブオイルをかけ、塩、コショウをふる。
 トライアングルで出会った食べ物は参考になる。また、娘婿と軽く1杯の機会を作らねば。わななんか、2人で飲めば怖くない。(梶川伸)2022.06.21

更新日時 2022/06/21


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