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編集長のズボラ料理(616) ナスのポン酢カラシ漬け

ミョウガの薄切りを加えてもいい

 辛いものがk結構好きだ。特にワサビがいい。鼻にツーンとくるのが、たまらない。
 あれは味なのだろうか。そうではないだろう。甘味、市味、酸味、苦味、うま味を五味というようだが、その中にツーン味はない。
 ワサビ好きを言いふらしていると、ワサビを使ったお菓子をよくもらう。その中で、大阪市・黒門市場の三都屋のおかき「激辛わさびのり」は強烈だった。ツーンどころか、ツー---ンくらいの威力があった。プレゼントしてくれた友人も辛い派で、特にトウガラシ系統の辛さに強い。
 僕が高松市勤務だったころ、山のうどん屋「谷川米穀店」に、その友人一家を案内したことがある。名前が示すように元は米屋さん。精米とともに小麦の精麦もしていた。やがて、農家が小麦を持って來ると、精麦したうえでうどんにして返すようになり、やがてうどん屋を始めた。
 名前が示すように、道路から谷川に降りていく。その途中に店はあった。店の半分は建物だが、半分は露天だった。
 当時は消費税が3%で、うどんは1人前100円だった。「熱いの」と「冷たいの」の2つおメニューしかない。それにしょうゆをかけて食べる。もの足りない人は、上の道路の腐屋さんで豆腐を揚げてもらい、その厚揚げを買って店に行き、うどのおかずにした。
 テーブルの上に、トウガラシをベースにした薬味があった。これは並大抵の辛さではなかった。辛さはツーンではなくヒーッの系統だった。
 友人は事も無げに食べた。もっとびっくりしたのは、当時中学生だった友人の娘で、結構な量をうどんにつけて食べていた。僕ならヒーーーッ味といったところだった。
 彼女は大人になって、ヒーーーッ味にいっそう磨きをかけているそうだ。僕の仕事の後輩に、いつも一味トウガラシを持ち歩き、外食のたびに何にでもかけて食べる男がいたが、彼女も外出する時にバッグの中に隠し持っているに違いない。
 からしも辛し。ただ和がらしはツーンの系統だが、マスタードはそれほどツーンがなく、ツーくらいのもので、その代わり酸っぱさがある。ツーン派の僕としては、使うなら和がらしとなる。
 ナスは皮をゼブラ状にむき、斜めの輪切りにし、しばらく水につけてあくを抜く。ポン酢と和がらしを混ぜたものに漬け込み、しばらくしていったん水分を切り、再度漬け込む。
 随分昔だが、タイに行って店でビールを飲んだ際、小さな生の緑のトウガラシがつまみに出てきた。これにはビックリした。ヒーーーーーッほどの辛さった。上には上のヒーッがあるもんだ。(梶川伸)2022.08.16

更新日時 2022/08/16


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