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編集長のズボラ料理(716) カキの白みそネギソース

白ネギは炒めると量が減ることを考えて

 また、また、また、である。家族が発する恐怖の「テレビで見た」宣言。
 「こんな料理だった」と説明してくる。僕が見ていないから説明となるのだが、これが要を得ない。
 今回は「サケを焼いてみそをかける」という。「ほなら、チャンチャン焼きやないか」と僕は言う。それに対して「白みそを使ってた」とくる。「ほなら、違うか」と応じる。漫才で聞いたことのあるやりとりが、さらに続いていく。
「ほなら、西京焼きやろ」「白ネギを使ってた」「ほな、ちゃうか」
 どうも、フライパンでサケを焼き、白ネギを白みそで炒めるようだ。広辞苑には載っていないが、「テレビで見た」は「作れ」と同義語である。「ほなら、作ってみよか」、これで会話は一段落するのだが、今回は奥が深かった。
 テレビの番組では、サケで作ったのだが、「カキでもいい」と言ってたそうだ。家族はこっちの方が食べたいと、勝手なことを言う。調理法については、説明がなかったらしい。それでは情報がなさすぎる。でも、サケをカキに変えたものだと想像できる。では、やるか。
 大きめのカキを用意する。火を入れると、縮んでしまうことがあるからだ。鍋や炊き込みご飯で使う時は、なおさらのこと。下手をすると、虫メガネがほしくなるほど縮んでしまう。
 カキは水で洗い、水分をふく。小麦粉の少しだけコーンスターチを加えて混ぜ、カキにまぶす。白ネギは細い斜め切りにする。どうせなら、と思って大量にカットした。白みそをみりんと酒で伸ばし、白出しも少し加える。
 カキにオイスターソースをふりかける。フライパンにさらだ油をひき、カキの両面を焼いたあと、フライパンを振りながら炒め、皿に盛る。
 フライパンに少しサラダ油を入れて熱し、白ネギをよく混ぜながらゆ炒める。十分しんなりしたら白みそを入れ、さらに炒めて、カキに添える。
 果たして、テレビデ言っていたのは、こんなものだったのだろうか。サケの料理さえはっきりしないのに、わかるはずがない。でも大丈夫、家族も映像としては見ていなのだから、文句のつけようもないだろう。「ほなら、違うか」と、弁解する必要もない。(梶川伸)2024.03.02

更新日時 2024/03/02


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