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編集長のズボラ料理(811) イカ燻ミツバ

イカに味がついているので、白だしとポン酢は少量でいい

 食べ物の中には、酒のつまみというジャンルがある。駅のコンビニでは、存在感を示す。電車に乗る前に、缶ビールとつまみ1袋を買う人が結構いるからだ。僕も含めて。
 娘婿がよくこの手を使う。仕事終わりが遅い日がある。近鉄電車で帰宅するのだが、そんな時は疲れているので、京都駅から特急に乗るらしい。その前に、コンビニに寄る。そして指定席に座り、乗っている30分の間に、缶ビール1本をグイッとやる。1袋のつまみをつけて。
 聞いてみると、つまみは柿ピーが多いらしい。柿の種とピーナツをミックスしてもので、つまみの王道と言っていい。これが30分には、ジャストだと主張すする。
 その時間が何ともいえず、心地良いようだ。30分という時間も、ちょうどいいらしい。45分だと、2本目の缶がほしくなり、それに伴い、つまみももう1袋いる。わざわざ特急券を払い、2缶2袋は、サラリーマンにとっては負担が大きすぎる。
 娘婿はギターを習っていることもあり、時々カラオケに誘われる。娘も行くので、その時は缶1・つまみ1.もしくは2・2ではすまない。僕は歌が下手で、リズム感も皆無なので、なるべく歌わないことにしている。すると、手持ちぶさたとなり、飲むことになる。カラオケボックス内では、歌のうまさと飲み物・あての数は反比例する。
 本格的な「飲み」になると、つまみの数も増える。柿ピーはいつも買う。ポテチはつまみコーナーではなく、ポテトチップスコーナーにあるが、これもほぼ買うことになる。ポテトチップスのことで、これも王道。
 共通するのは、値段の割りに袋の中の個数が多いこと。もう1つの共通点は、略語で呼ばれること。実は、酒のつまみコーナーには、この手のものが多い。バタピー(バターピーナツ)、チーチク(チーズ入り竹輪)、エイひれ(焼いたエイのひれ)、サケとば(鮭のとばを干したもの)。そして、イカクン。これはイカの燻製。
 酒のつまみのイカはおもしろい。それだけでもいいのだが、手を加えると、つまみとしてはもう1ランクアップする。代表格は居酒屋さんの定番、スルメの天ぷら。ソフトさきイカを、さらに天ぷらとして食べるのだから、まずいわけがない。
 今回のズボラは、イカ燻を使う。イカ燻に白だしとポン酢をたらし、ミツバを加えて混ぜる。至極簡単で、料理とは呼びにくいのだが、酒のつまみは簡単が1番だから、ズボラ料理の真髄といえる。
 珍味と呼ばれるジャンルがある。言葉通り、珍しい食べ物のことだが、酒のつまみにも使われる。略語のところでピックアップしたもののうち、エイひれ以下はそれにあたる。取り立てて珍しい味でもないが。(梶川伸)2025.07.15

更新日時 2025/07/15


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