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編集長のズボラ料理(819) ノリの佃煮ホワイトソースのパスタ

 同じ言葉であっても、子どものころと、大人になってからでは、全く違うものを連想するものがある。例えば「いそじまん」。
 子どもは、テレビコマーシャルの影響を大いに受ける。僕もそうで、「いろはのいのじのいそじまん」と歌いながら、ノリの佃煮「磯じまん」をご飯につけて食べた。
 そういえば、ノリの佃煮はいつも家に用意してあったように思う。ノリの佃煮はほかにもあるので、「ご飯ですよ」とか「アラ」も食べたが、磯じまんの地位は、確固たるものがあった。歌のせいだろう。
 大人になって違ってきた。飲むようになり、日本酒が好きになったためだ。「いそじまん」からは「磯自慢」を思ってしまう。静岡県焼津市のお酒。
 最初は違和感があって、「いろはのいのじのいそじまん」と、つい口ずさんでしまった。しかし、酒の通が好みそうな酒なので、最近は静かに飲んでいる。
 ただ、日本酒はたくさんあるし、僕がえこひいきをしている酒もあるので、磯自慢は確固たる地位ではない。
 僕がえこひいきしている酒の1番目は、香川県琴平町の凱陣。高松市勤務だった時、会社に置いてあった。ラベルを見ると。高杉晋作も飲んだと書いてあり、一辺に好きになった。晋作だとか龍馬だとか書いてあれば、味よりも幕末の志士に軍配をあげるのだ。
 次は栃木県小山市も鳳凰美田。知り合いの子どもが蔵人をしている関係で、時々もらう。味よりプレゼントである。
 3つ目は兵庫県丹波市の奥丹波。友人が酒蔵・山名酒造の人と懇意にしていて、その関係でしょっちゅうもらう。味よりも、その酒蔵の銘柄全制覇の目標の方が大事だからだ。
 今回のズボラは、酒でない方の磯じまんを使った。パスタをゆでる。その際、千切りのショウガと白だしを加えて、和風の味をつける。
 鍋にバターを入れ、すりおろしたタマネギを入れて熱する。さらに小麦粉を加えてよく練り、団子状になったら少しずつ牛乳を注いでよく混ぜ、ホワイトソースを作る。最後に磯自慢を入れて混ぜ、それをパスタにかける。上に千切りの大葉をふる。
 先日、大阪市・梅田、阪神百貨店地下2階のバルフロアの居酒屋さん「うめさくら」で、友人と軽く飲んだ。僕が注文したのは「ちょっと飲み3種」。店員さんが日本酒3種を、グラスに入れてくれる。この日は磯自慢、手取川、日高見だった。
 自慢じゃないが。それがズボラ料理を作つきっかけになった。次は磯じまんパスタをあてに、磯自慢を飲んでみよう。(梶川伸)2025.08.26

更新日時 2025/08/26


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