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編集長のズボラ料理(153) しょうゆ漬け大根の天ぷら

衣は厚めの方が良い

 1カ月から2カ月に1度、自宅近くの医者に行く。血圧の数値が高いので、定期的に診てもらうためだ。診断の後、処方箋(せん)を書いてもらい、薬局に寄って帰る。
 毎回、朝1番の午前9時に予約をする。医院までは歩いて5分。そこと薬局での待ち時間も合わせ、40分ほどのコースとなっている。
 医者は同年輩の女医さん。定年になって長いこと通っているため気楽なもんで、医者に行くのは遊び感覚でもある。名前を呼ばれると、診察室に入り、血圧を計り、聴診器を胸に当ててもらい、体重計に乗って終わる。この間4~5分。
 ただ、その間におしゃべりをしなければいけない。先日は僕が高野山に参拝してきたことを告げると、女医さんもその前に行っていたことが分かり、話がつながった。
 おしゃべりをしながら血圧を計ったせいか、1回目の数値が高かった。そこで、しゃべりながら3回も計ってみた。それでも下がらない。女医さんは「話していると、血圧が上がることがあるのよ」と一声かけて計測をやめ、聴診器に移った。その時点で、話題は宿坊の精進料理の話に移っていた。僕がお薦めの宿坊を教えると、女医さんは片耳の聴診器をはずし、聞き耳を立てる。
 ちゃんと心臓の音を聴いているのだろうか、と心配になる。やがて、宿坊の名前をメモし始める。メモが終わると、「異常ないですね」。大丈夫かなあ。
 診察まで、待合室に置いてある雑誌を見て過ごす。女医さんの医院のせいか、オレンジページやクロワッサンなど、食べ物に関するものが多い。薬局には、グルメの店の紹介本が並んでいる。僕の場合、新しいメニューのほとんどは、居酒屋でなければ女医さんの所か薬局で仕入れる。だから、体にいいと信じている。
 今回は、女医さんの待合室で見た雑誌に載っていた料理を参考にした。大根をスティック状に切る。白だし、ニンニクしょうゆ、みりんを混ぜたものに、大根を漬ける。ニンニクしょうゆの代わりに、生ニンニクとしょうゆでもいい。30分ほどして水分を拭き取り、小麦粉をまぶす。小麦粉、カタクリ粉に水を加えて衣をつくり、大根につけて油で揚げる。次の診察の時は、これを話題にしよう。(梶川伸)2015.11.13

高野山 精進料理

更新日時 2015/11/13


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