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編集長のズボラ料理(175) カレービーフン

具は好みで

 「困った時の○○」。○○に何を入れるか。「困った時」とは、メーンになりそうな食材がない時、あるいは買い物に行くのが面倒くさかった時のことだ。僕にとって、○○はいくつもあるし、よくある。
 ジャガイモもそうだし、卵もそうだ。ベーコン、冷凍うどん、インスタントラーメン、ツナの缶詰め。冷蔵庫か炊事場の棚に少しは入っていて、困った時に助けてくれる。しょっちゅう。。
 今のは食材の話だが、困るのはそれだけはない。作り方や料理の種類の時もある。料理はいくらでもあるようだが、食べた方・作り方の種類はそう多いわけではない。食材との掛け算で数を増やしているだけのことだ。
 だから時々、掛け算を考えるのが面倒くさくなる時がある。そこで「困った時の○○」の方程式が必要になる。多くに人にとって、カレーは○○の1つだろう。僕も同じで、それ以外は何でもかんでもタジン鍋に入れてしまう。
 カレーはありがたいことに、日本人の10人に9人くらいは好きだから、苦し紛れに作ったとしても、ほぼ歓迎される。それどころか、会社勤めの男の8割程度は、昼ご飯の10回に1回に比率で、ローテーションに組み込んでいる。
 毎日新聞の本社が大阪市・堂島にあった時、堂島地下街に「インデアン」というカレー屋でよく食べた。毎日新聞の内勤記者は、1週間に1度は食べないと気がすまなかった。完全に中毒症状を呈している。外勤記者になっても、わざわざ食べに帰る記者もいたほどだった。
 僕の場合はもっと症状が深刻で、カレーへの7執着はインデアンにとどまらない。カレー屋本店からカツ屋、ニューライト、PICCORO、はり重カレーショップ、どい亭、KENT、クラクラ、デンキカレー商会、わすれな草、ジャンカレーABC、トタンにカレー……4。食べた店は100件を超える。
 調理法のピンポイント、味付けにも「困った時の○○」を考えておく必要があるか。これだけは、考える必要はない。困った時はカレー味に決まっている。
 うちには、ビーフンが常備してある。困った時に使う。ビーフンを煮て柔らかくする。ベーコン、タマネギ、シイタケを切って一緒に炒め、鶏ガラスープの素で味をつけ、最後にカレー粉ををふってさらに炒める。ベチョジェチョにならなければ、ほぼ成功する。(梶川伸)

更新日時 2016/03/07


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