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編集長のズボラ料理(346) ジャガイモ牛乳コロッケ

素早く成形、素早く揚げる

「豚カツは店で食べるもの」と言う友人がいる。「豚カツみたいな簡単なもの、家で作ればええやん」と僕は反論する。
 料理経験の少ない男性なら、わからないでもない。でも、長年台所に立ってる女性ではないか。
 僕も大阪市・梅田や灘波の地下街で、昼ご飯に何を食べるか困った時には、カレーの「ピッコロ」か、鶏の「正起屋」のB定食か、豚カツの「豚晴」のどれかにする。だから、少なくとも困った時の3分の1は豚カツだから、友人に対して、偉そうに言えるわけだはい。
 大阪市・西梅田にある毎日新聞の本社に勤務していた時には、近くのハービスの地下の豚カツ「和幸」で、よく昼ご飯を食べた。ここは豚カツについているキャベツやみそ汁がお代わりできるからだ。「これで豚カツもお代わりができたら」といつも想像しながら、キャベツをバクバク食べた。
 もちろん、家でって、お店の味に勝てるわけがない。しかし、友人の理由はふざけている。「油が散って、台所が汚れるから」。台所は汚れるためにある。いくら「キッチン」と気取ったとしても、本質は変わらないわけで、理由が不純すぎるではないか。
 ただ僕も、クリームコロッケは「店で食べるもの」と言ってはばからない。それは、作るのが面倒くさいからだ。これは決して不純ではない。本当にそうだから、正当な理由といえる。
 ホワイトソースを作だけでも手間がかかる。それを冷やして固めなければならない。それならイモコロッケのように、固いものでいいではないか、となる。だから作らない。では、イモとクリームの中間ならどうか。
 ジャガイモをゆでてつぶす。ベーコンを刻んで混ぜ、牛乳を加えて柔らかくし、塩、コショウで味をつける。冷凍庫に入れ、少し固まったら取り出し、コロッケに成形する。小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて、油で揚げる。
 ただ………。ジャガイモ牛乳コロッケのもとを冷蔵庫から出して、形を整えていると、ジワジワと柔らかくなってくる。「面倒くさいなあ」と1回思うくらいならいい。それが3回、4回も思ってダラダラしていると、溶けてきて取り返しがつかないことになる。やっぱり、お店で食べるべきかなあ。(梶川伸)2019.05.04

更新日時 2019/05/04


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