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寺の花ものがたり(247) 常寂光寺(京都市右京区)紅葉=11月下旬~12月初め

1999年11月25日撮影

 ある時、京都のタクシーの運転手さんに、紅葉でお薦めの寺はを聞いたことがある。教えてもらったのは、嵯峨野の常寂光寺だった。
 紅葉の名所として知ってはいた。しかし、嵯峨野にいはいくらつも名所がある。さらに京都市全体に広げれば、ますます多い。その中で常寂光寺を挙げたことが、さすが京都のタクシー運転手さんだと思った。
 そのことを覚えていて、初めて紅葉見物に寺を訪ねたのは20年ほど前だった。確かに、運転手さんの言ったことは正しかった。それほど広い庭ではないが、紅葉が重なりあっていた。苔(こけ)といい、紅葉といい、色がいい。このあたりの気候が影響しているのかもしれない。
 圧巻は本堂の裏。白い壁をバックにした真っ赤な葉があり、木々をバックにした赤と黄色のグラデーションもあった。
 その年の1番良い日だったのだろう、NHKのカメラが入っていた。帰りには、別のテレビのカメラと出会った。運転手さんのお薦めは正解だった。

◇常寂光寺(常寂光寺)◇
 京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3。075-861-0435。JR山陰本線(嵯峨野線)嵯峨嵐山駅下車、徒歩約15分。もとは藤原定家の山荘「時雨亭」があったと伝えられ、16世紀末に日禛(にっしん)がこの地に隠棲したことに始まる。本尊は十界大曼荼羅。入山有料。
(梶川伸)=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。2020.11.11

更新日時 2020/11/11


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