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編集長のズボラ料理(672) ひき肉炒めのレタス包み

ミンチに加える具材は好みで

 家のおかずと、店の料理では随分と違う。店で食べて、驚くことはよくある。さすが食のプロで、おかずと料理の違いなのだろう。中華料理は家でもよく作るので、落差がよく分かる。
 酢豚にパイナップルが入っていた。店で初めて食べた時は、絶句するほど驚いた。
 酢豚は家のおかずでも、なじみがある。でも、パイナップルは使ったことはなかった。
 昔はパイナップルが高かったことも影響しているに違いない。食べるとしたら缶詰で、生は縁がなかった。もしくは、パイン飴で我慢していた、
 ところが最近は安い。スーパーでは1つ500円ほどで売っている。それでも家で酢豚には使わな。中華とパインがなかなか結び付かないからだ。第一、漢字とカタカナでは相性が悪いではないか。
 同じようなことは、鯛の刺し身でも経験した。野菜が混ぜててあるのは理解できる。和食でも、大根の細切りをつける。でも、ナッツまで混ぜてある。ここでも、漢字ととカタカナが同居している。しかも、ゴマ油までかけてある。何でしょうゆではないのだろう。
 ナスのオイスター炒めも衝撃だった。家ではナスは漬け物か煮物で、いわば副菜である。もしくは、ビールのあてに焼きナス。ところがオイスター炒めは立派な主菜になっている。
 神戸市に住んでいたことがある。二日酔いの日は、中華料理店でおかゆを食べた。よく行ったのは、「群愛」という店だったと記憶している。これも衝撃が走った。おかゆは病人の食べ物で、店で食べるなど、思ってもいなかったからだ。
 しかも、ピータンを刻んだものが具として乗っていた。家のおかゆはせいぜい、溶き卵を加えるくらい。ピータンもアヒルの卵ではるが、ちょっと高い珍味といった印象があるから、僕にとって粗末なおかゆとは結びつかなかった。しかも、パクチーが乗っていた。癖が強すぎるではないか。
 炒めたひき肉のレタス炒めは、なーるほどと思った。はるさめを挙げてく細かく砕き、炒めたひき肉の下に敷いてあった。これでボリュームが出る。子どもが食べ盛りのころ、家でよく作った。中華料理店に感謝である。
 はるさめを少しずつ素揚げる。砕いて大きな皿に敷く。合いびきミンチ、細かく切ったタマネギとシイタケ、タケノコかセロリも小さく切って、綿実油とゴマ油で炒める。味つけはだしの素、砂糖、しょうゆ、オイスターソース。炒めたらはるさめの上に乗せる。別の皿にレタスを用意し、それに包んで食べる。
 このおかず作りは癖になる。はるさめを熱した油に入れると、一気に膨れ上がる。瞬間的に何倍にもなるので、何度でもやってみたくなる。これがおもしろい。ただ、やりすぎると、皿ははるさめだらけになる。(梶川伸)2023.07.07

更新日時 2023/07/07


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