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編集長のズボラ料理(701) サケとアサリのアクアパッツァ

緑の彩りを添え忘れてしまった

 今晩はこれを作ってみよう。そう考えて買い物に行くい
 よく作っているものなら、何を買えばいいか分かってりるので問題はない。しかし、初めての料理の場合、必要な食材をメモしていく。物忘れがひどくなったせいか、認知症が始まっているせいか、覚え切れないからだ。
 自宅で作り、テーブルに乗せた途端、一品を使い忘れていることに気づく。中心になる食材ではなく、彩りに使う添え物のことが多い。そんなことがしょっちゅうあるから、困ったものだ。作る時にもメモが必要な年なってきたのだ。
 娘夫婦は駅4つ離れた場所に住んでいる。共働きで、娘は夫が仕事の時に自分だけ時々遊びにくる。最近は何を思ったか、僕の終活を始めた。「死んでから整理するのは大変だから」と言って、ドンドン捨てていく。
 それは分かる。おやじが亡くなった時は、おふくろが整理した。その次におふくろが亡くなった時は、僕が整理した。よくこんんにため込んだものだ。それが実感だった。
 もらいもののタルがわんさか出てきた、もったいなくて捨てられなかったに違いない。つくだ煮の「マツタケ昆布」は5袋もあった。親父が好きだったので、その思い出もあって買っていたが、認知症が始まり、何度も買ったのであろう。
 娘が本箱を整理していると、料理本「飲める献立」が出てきた。僕が定年になり、暇つぶしに料理でもやってみようと思った時に買った本だった。20年も前のことだが、定年後クッカーになるきっかけにもなる本だった。長いこと本箱に眠っていた。僕が作るものを食べて、娘はよく「また居酒屋メニューか」と云うが、この本の影響かもしれない。
 パラパラとページをめくっていると、サケとアサリのアクアパッツァが出てきた。今晩はこれを作ろう。20数年の料理歴を示すため、少しアレンジして。ただ、初めてだから、ちゃんと食材をメモして行った。
 サケに軽く塩をしてしばらく置き、食べやすい大きさに切る。フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクスライスを加えて熱してニンニクオイルを作る。サケの両面を焼いて、いったん取り出す。そのフライパンにアサリとミニトマトを入れて炒める。サケをフライパンに戻し、水、白ワイン、鶏ガラスープの素少々、塩、コショウ、ローリエを加えて煮る。
 皿に盛り、「飲める献立」と見比べてみた。見映えが全く違うではないか。せっかく買ってきたサヤインゲンを、使い和すえれていた、たかが彩り野菜ではあるが、ないと全くしまりがない。ショックhあもう1つ、これは物忘れ+認知症のミックスと思い知らされたことだった。もっとも、「いつものこと」と言い聞かせたが。(梶川伸)2023.12.05

更新日時 2023/12/05


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