編集長のズボラ料理(893) イワシ(アジ)とナスのマリネ
また、また、また、また。家族の一言「テレビで見た」。これは「作れ」と同義語なのだ。回数が多いので、今回は知らんぷりを決め込んでいた。
それでも、イワシとナスのマリネだと、「作れ圧力」をかけてくる。そのうち忘れるだろうと、無視を継続した。ただ、ちょっとだけ気になったことがあった。テレビでは、最近人気のある料理研究家が作っていた、ということだった。
しばらくして外出か帰ると、「長谷川あかり DAILY RECIPE」と題した本がテーブルの上に乗っていた。ちょっとした不安は、現実のものになった。テレビの人は、料理本も出していたのだった。
「38ページ!」。ここまで圧力をかけられては、もう逃れられない。観念した。それでも、最後の抵抗。イワシをさばくのは面倒くさいので、「頭を切って開きにしてあり、骨を取ったものを、スーパーで売っていれば」と条件をつけた。
さっそく自宅から歩いて2分のイオンに行った。置いてない。しめしめ、免れた。
翌日、今度はうちから歩いて8分の近商ストアに行った。置いてない。しめしめしめ、また免れた。
3日目、散歩道の途中、歩いて40分のアルプラザに寄った。2度あることは3度ある。置いてない。しめしめしめしめ、また免れた。
4日目、イオンに買い物に行った際、鮮魚売り場をのぞいた。それがいけなかった。ついに見つけてしまった。家族も一緒だったから、逃れようがない。
頭のない開いたイワシは、食べやすいように尾も切り落とし、軽く小麦粉ふった。ナスはへたを切り取り、縦切りする。ボウルに酢を入れ、砂糖、塩、白だし、オリーブオイルを加え、混ぜておく。うちの小さな花壇に、ご近所さんからもらったローズマリーを植えているので、少し取ってきた。
フライパンにオリーブオイルをひき、ナスの両面を焦げ色がつくまで焼き、大きめ皿に並べる。オリーブオイルをひき直し、イワシの両面を焼き、ナスの上に乗せる。2つの間にローズマリーのみじん切りを少しふり、見栄えを考えて切り取ったままのものを上にも置く。ボウルの液をかけ、冷めたら冷蔵庫に入れる。時々、液をすくって、イワシにかける。
ズボラの意地で、若干は変えたが、大筋は本のまま。しかしながら、大いに違うものがあった。本の写真の方が、おいしそうに見えるなあ。
そう思って、次はアジで再チャレンジ。中骨を取るのに骨が折れたが、イワシよりはうまくいったのではないか。そして、本と比べてみる。やっぱり本の写真の方が、おいしそうに見えるなあ。(梶川伸)2026.08.14
更新日時 2026/08/14