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身近な生き物たち⑦ 渡りをするチョウ・アサギマダラ

アサギマダラのオス(左)はメスより体が小さく、下羽根に黒い斑点がある

 鳥と同じように渡りをするチョウがいる。アサギマダラだ。夏の暑い時期は東北から北陸、信越地方などで過ごし、涼しくなると南下して沖縄や台湾まで飛び、暖かくなると再び北上する。

 池田市の五月山は、秋に南下するアサギマダラの通り道になっていて、毎年9月下旬~10月中旬にやって来る。10年ほど前から観察を続ける「池田・人と自然の会」のマーキング調査に同行した。

 マーキングとは、文字通り捕獲したアサギマダラに油性ペンで捕獲場所、日時などを書き込む作業だ。チョウに直接書き込むことに驚いたが、アサギマダラは鱗粉(りんぷん)がほとんどないため問題ないという。

 五月山の日の丸展望台手前の広場付近には、アサギマダラがみつを吸うヒヨドリバナの群生地がある。ゆったりと飛ぶアサギマダラは、白いタオルをぐるぐる回すと近寄ってくる習性があり、虫取り網で素早く捕まえる。10月3日に一般参加者を含めて行われた調査会では、富山県からやってきた個体を捕獲することができた。五月山での捕獲を意味する「ST」と記された個体は、最南端で沖縄の与那国(よなぐに)島でも発見されたという。

 会は今年も既に、300匹以上にマーキングを済ませている。五月山のアサギマダラがどこまで飛んでいくのか、楽しみだ。(礒野健一)

池田・人と自然の会 アサギマダラ

更新日時 2011/10/05


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