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編集長のズボラ料理(167) ホタテとサトイモの煮物 

煮詰まってテリがでると、おいしく見える

 ホタテと貝柱は同義語のように思っていた。貝柱と言えば、たいていはホタテ貝のものだからだろう。
 高松市に住んで、そうでないことを知った。香川ではタイラギの貝柱をよく食べる。黒茶色の殻を大きな三角形の貝で、図体がでかいだけに貝柱も大きい。刺し身で食べるが、ホタテよりも固くて、歯ごたえがある。だから、2つも皿に乗っていたら、タイラギるのに苦労する。
 貝柱が大きいということは、その外側のヒモの部分も大きいに違いない。しかし、ヒモつきのタイラギや、ヒモだけを売っているのを見たことがない。味が良くないので、捨てているようだ。瀬戸内海の高見島の民宿に泊まった時、主人が話していた。
 主人はタイラギのことを「タチガイ」と呼んでいた。もともとタチガイの漁師だったという。もぐって砂の中に潜んでいるのを獲る。、タイラギは高級品で、最盛期には1日で40万円にもなったと話していたのを覚えている。
 民宿の料理は素朴だった。大きな生きたイイダコを持ってきて、目の前で足を切って刺し身にする。残りは電熱の鉄板の上に置いて焼く。タコは身をくねらせる。それを見ながら、こっちまで身をよじらせる。養殖だが、フグも出た。刺し身を取り、残りはてっちりに。フグのひれ酒も作ってくれたが、なぜかヒレがあぶってないので、人生で1番生臭い酒だった。
 ホタテの貝柱もそこそこの値がする。貝全体も。それなのに、小さなベビーホタテは安い。これはヒモもついている。小さすぎて、貝柱が取れないからだろうか。この安い方のホタテを使う。
 サトイモは皮をむく。だしを取り、サトイモとベビーホタテを入れて熱し、まず砂糖で味をつけ、後からしょうゆ、最後にみりん。煮つめるので、水は少なめにし、落しぶたで煮る。(梶川伸)2016.02.14
 

更新日時 2016/02/14


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