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寺の花ものがたり(242) 岡寺(奈良県明日香村)天竺牡丹・ダリア=6月

2020年6月12日撮影

 ダリアの和名は、天竺牡丹(てんじくぼたん)だそうだ。梅雨に入って、雨の合い間に、奈良県明日香を少し歩いた。岡寺に参拝するとダリアが美しい。このシリーズは花の名を漢字で統一しているので、さっそく調べてみて知った。
 ただ、天竺牡丹の名はなじみがない。そこで今回はカタナカのダリアを使うことにした。
 岡寺の本堂は、境内の石段を上っていく。上りきると、ダリア園と牡丹園が一緒になっている。牡丹は終わっていたが、ダリアは花をつけていた。それほど広い場所ではなかったので、株もそれほど多くはない。ただ、黄色の花は驚くほどの大輪だった。
 美しいと思ったのは、実はダリア園ではない。山門をぐぐって、手を清めるために手水(ちょうず)に行って、思わずカメラを向けた。手水鉢の水は、ダリアの花で覆われている。赤、紫、薄い紫、黄色、淡い黄色、白。その花の海に、水が落ちている。色がはっきりしているので、遠くからでも目立つ。
 その横に小さな池があり、その水の中に置かれた石のくぼみも、ダリアの花。本堂前に大きな灯ろうがあり、下部にはみぞが巡らされ、そこもダリアが埋めていた。境内にはたくさんの鉢が配置され、どれもダリアが色を競い合っていた。
 寺の人に聞くと、ダリアの本番は秋らしい。そのころにはきっと、ダリア園ももっと花をつけていることだろう。

◇岡寺(おかでら)◇
 奈良県高市郡明日香村岡806 0744-54-2007。橿原神宮前駅からバスで30分。正式には龍蓋寺という。本尊は如意輪観音で、日本最大の塑像。法相宗の祖である義淵(ぎえん)僧正が草壁皇子(くさかべのおうじ)の岡宮を与えられ、寺としたのが始まりされる。西国第七番霊場。有料
(梶川伸)=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。2020.06.14◇

更新日時 2020/06/14


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