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編集長のズボラ料理(815) 梅干しご飯の天ぷら

衣は十分に揚げる

 回転寿司は楽しい。安いうえに、思わぬものがある。
 テレビ番組で、くら寿司のうどんを絶賛していた。そこで、食べに行ったことがある。僕
の予定では、いくつかのすしを食べ、ビールと酒2本を飲んで、締めにうどんだった。
 ところが仲間の1人は、最初にうどんを頼んだ。たとえ回転ではあっても、すし屋で「とりあえずうどん」は、失礼ではないか。とはいえ、最大の目的はうどんだったので、僕も少しつゆを飲ましてもらった。麺自体はそれほどではないが、つゆは強いだしを取っていて、なかなかいけるではないか。
 これで計画に乱れが出た。うどんを締めではなく、途中に入れてしまった。つゆだけではなく、もちろん麺も食べることになった。お腹が大きくなり、アルコールはビールだけに留まった。仲間は、「回転ずしで、飲みまくる方が邪道」と話したが。
 その次にくら寿司に行った時は、これ以上ないシンプルなメニューを見つけてしまった。蔵だし。名前もおもしろい。大きめのお椀に、出汁だけが入っている。これまた強い出汁で、しょうゆと甘味をつけている。これは、うどん以上にいける。思わず、お代わりをしようかと思ったほどだが、ビールと酒2本の目的を達するため、かろうじて自制した。
 遊び仲間で、和歌山県白浜の「ゆこゆこ」の宿に泊まったことがある。とれとれ市場の回転ずしで、昼ご飯を食べた。回っているネタで1番高かったのは、クエだった。梅の産地に近いので、梅酢を使ったしゃりのすしもあった。
 驚いたのは、大変シンプルな和歌山の味も回っていたことだ。それは梅干し。大きな南高梅が1つだけケースに入って、えらそうに動いていた。すしではない。単に梅干し。実はこれが、クエに次いで高いものだった。
 親類が和歌山にいるので、梅干しを送ってくれる。今回はくずれ梅で、少しだけ傷があるが、その分安い。安いから2ケースも届いた。これはどんどん食べねば。
 梅干しに切れ目を入れ、種を取り出す。種の代わりにご飯をつめる。つまり、梅干しおにぎりの反対なので、梅干しは大きいものを選ぶ。それに小麦粉をまぶす。ボウルに小麦粉、コーンスターチ少々、コンブ茶少々を加えて水で溶く。これを衣にして梅干しにつけ、油で揚げる。
 くら寿司に行った時、蔵だしの次に驚いたのは、ベーコンの天ぷらのにぎりだった。ベーコン自体、すしには意外性があり、しかも天ぷら。さらに長さが20センチもある。邪道過ぎるなあ。もちろん、食べたが。(梶川伸)2025.08.06

更新日時 2025/08/06


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