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編集長のズボラ料理(822) 紫トウガラシの素焼き

焦げすぎないように注意

 うちから1番近いデパートは、近鉄百貨店奈良店だ。近鉄電車で2駅だから、気軽に行ける。
 気候が良ければ、行きだけ歩く。1時間20分ほど。いなか道の良いコース。東大寺学園や奈良大学の横を通るので、少しは頭がよくなるかと思うのだが、全くそのきざしはない。
 デパートに着くと、必ずのぞく売り場がある。そこは奈良の特産品を置いている。奈良野菜もあり、珍しいものがあると時々買ってみる。
 今回は「奈良とうがらし」を試してみた。小さな紫色のトウガラシ。見たことがない色なので、手が伸びた。
 奈良野菜には、困ったことがある。味がわからない。料理の仕方がわからない。売っているのだから、まずいはずはないと思うのです、味についてはあまり心配しない。一方、レシピが書いてないので、さて、どうするか、となってしまう。何せ、定年後クッキングなので、料理に関する知識量が絶対的に不足している。
 このトウガラシもそうだった。シンプルに袋に詰めてあるだけで、袋には名前と値段の表示しかない。僕が知りたい調理の仕方など書いてないではないか。
 そんな時には、ネット検索しかない。「大和とうがらし」は「紫トウガラシ」として載っていた。レシピもあり、その中で、1番簡単なものを選んだ。素焼き。
 アルミホイルの上に並べ、オーブンで焼く。ここで、おもしろい経験をした。
 普通の野菜は焼くと、だんだん黒っぽく焦げていく。シシトウでもピーマンでもそうで、緑は黒くなる。そんなの当たり前で、このトウガラシの場合も焦げて紫色が黒くなると思い込んでいた。
 ところが、焼けると紫が緑になっていく。にもかかわらず、先入観に支配されて、「なかなか黒くならないな」と勘違いしてしまった。何とか気づいいたが、危ないとことだった。
 皿に盛りつけ、カツオブシを添えた。しょうゆをかけて食べる。辛みはなく、穏やかな味なので、食べやすかった。安いのも気に入った。
 焼きながらに考えた。「焦げてまっ黒けになった」という言い回しがあるが、大和とうがらしの場合は「焦げてま緑けになった」と言うのだろうか。(梶川伸)2025.09.10
 

更新日時 2025/09/10


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