編集長のズボラ料理(817) ゆで鶏のワサビしょうゆ和え
仕事現役のころ、会社の近くのソバ屋さん「そじ坊」にしばしば行った。一杯飲んだ後が多かった。
その店でも少し飲むのだが、最後に必ず注文するものがあった。ちゃんとした名前は覚えていなが、「締めそば」のような名前だったような気がする。今もあるのかどうかは知らない。
単純なざるソバだったが、1つ際だった特徴があった。小さいながら、生のワサビがついていた。これを自分ですりおろして使う。
テーブルには小さなビニール袋が用意してあった。ワサビがまだ使えるようなら、それに入れて持って帰る。小さいものをすった残りだから、さらに小さくなる。しかし、ワサビには良いイメージがあり、家族は喜ぶ。これで、僕の酔っ払いは帳消しなる。
長野県に住む友人の写真家に、安曇野周辺を案内してもらったことがある。まず行ったのは、ワサビ農園だった。
ワサビ農園は規模が大きく、観光地になっていた。黒澤明監督が映画「夢」で使った水車もあった。水は冷たい。雰囲気がいい。ワサビから連想されるのは、このような風景なのだ。だから、飲んだ帰りに小さくなったワサビを土産にしたとしても、どこか爽やかさを感じるのだ。酒のにおいも消してくれる。自分勝手な分析ではあるが。。
ワサビ農園では当然ながら、ワサビビールを飲んだ。緑色できれいだった。ワサビ売り場の人が、おろしたワサビをビールに入れてくれた。
美麻村のそば屋「山品」へも連れて行ってくれた。盛りそばの量が多いので、遠慮なく食べることができた。つゆにワサビ、ネギを入れて食べた。突き出しに野沢菜が出てきたので、完璧だった。
上高地の河童橋では、ワサビコロッケを食べた。ワサビを十分楽しんだ長野旅行だったので、ワサビは土産にする必要もなかった。
鶏に爽やかさの味つけることにした。鶏肉を食べやすい大きさに切ってゆでる。味つけはだしの素と白だし。ワサビをみりんとしょうゆで伸ばし、鶏肉を和える。
長野土産にワサビを買って帰らなかった罪滅ぼしではないが、スーパーで買うチューブ入りのワサビは、安曇野市産のあらぎりわさびにしてる。ただ、ビールに混ぜたことはない。(梶川伸)2025.08.15
更新日時 2025/08/16